IIJは10月10日、トークイベント「IIJmio meeting #28」を開催した。前回に引き続き、今回も新型コロナウイルス対策でオンラインでの開催となったが、オフライン時と変わらぬディープな話題が展開された。イベントレポートをお届けする。

  • IIJmio meeting #28

IIJがオンラインでの大きなイベントを開催するのも、今回で3回目となる(IIJmio meeting #27、IIJ Technical NIGHT Vol.9)。日本のインターネット黎明期からネットの世界を裏から支えてきた技術集団のIIJだけあって、回を重ねるごとに仕掛けが増えたりしている。

  • 今回はリモートの話者とスライドが同時に表示されたほか、TwitterのIIJmio meetingに関するハッシュタグを付けたつぶやきがスライドの上に表示される仕掛けで、スライドと同時に視聴者の反応が楽しめた。Tenchical NIGHT Vol.9で話題をさらった、技術広報担当課・堂前清隆氏のバーチャル美少女化は今回は見送られた模様

冒頭は恒例のIIJmio Updateで、IIJの技術広報担当課・堂前清隆氏から、6月から10月までのIIJmioの新サービスや新端末、キャンペーンなど、さまざまな動きが紹介された。その中で注目したいのが、iPhoneの最新OS「iOS 14」とeSIM、物理SIMの組み合わせで、移動中に圏外になり、通信ができなくなるケースが散見されていたことだ。

  • iOSユーザーでeSIMを利用しているという特定環境でのみ発生する事象で、再現性がはっきりしないため、対応が難しいタイプのトラブルだ

この案件、SNSなどで調べると皆無ではないのだが、そこまで件数が多いわけでもないという、非常にやっかいなトラブル。IIJでもOSのアップデートが登場する度に検証はしているが、Appleと特別な関係にあるわけではないため、OSなどの情報も一般ユーザーと同等のタイミング・内容しか手に入らないという。また、iOS 14リリースから約1週間後に配布されたiOS 14.0.1アップデートをかけると解消した例もあるようで、アップデート内容としては公開されていないが、バグフィックスされた可能性も高いという。そういうこともあり、安定した運用を求める人は、新OSのリリースから1週間程度は様子をみたほうがよさそうだ。

またIIJmioの5G展開については、現状の5G NSA環境ではエンドユーザーのメリットが得られず、システム開発のコストに見合った価値が見出せないとのことで、当面は法人向けMVNOや、ローカル5Gといった、非スマートフォン用途(IoTなど)を中心にしていくことが明らかになった。画面に表示される「5G」のアンテナピクトは魅力的だが、現状、まだ5Gを体験できるエリアも極めて少ないことから、特にMVNOでの展開は、もう少し様子見となりそうだ。

  • 5Gの速度は4Gの設備と併用する「5G NSA」環境下ではほとんど出せないため、現状では宝の持ち腐れとなってしまう可能性が高い