リユースデパート「KOMEHYO」を展開するコメ兵は8月18日、「真贋判定(本物か偽物かの判定)」に加え、「型番判定(モデル名・型式などの判定)」ができるようになったAIを開発し、2020年8月25日よりKOMEHYO名古屋本店に導入すると発表した。

  • AIを活用した査定のイメージ

ブランド品などの偽物(知的財産侵害物品)の日本への流入は近年増加傾向にあり、令和元年には輸入差止点数が7年ぶりに100万点超えとなった(※1)。また、フリマアプリやオークションサイトの普及により個人間取引のリユースが一般的になってきており、知らぬ間に偽物を手にしてしまう現状がある。

実際に、同社が運営する「鑑定」機能付きブランド品のフリマアプリKANTE(カンテ)において、真贋判定サービスを希望した購入品のうち、1割ほどが偽物として出品者に差し戻されているという。

「AI真贋」を実用化させるために同社は、買取などによる年間160万点の商品や自社開催の法人向けオークションに出品された商品などを商品データとして扱い、AIの精度を高めたとしている。

また、同社の鑑定士が開発エンジニアと情報共有しながら、AI に真贋を判断させる正確な教師データをインプットしている。AI真贋を店頭の鑑定士が運用することで、AIのレベルはさらに向上し、業務に最適化されるとのこと。

同社は今後、売却需要が高いブランドやアイテムの横展開をしていき、AI真贋をベースとした業務フローを整備し、国内外を問わず鑑定士育成のカリキュラムを短縮することにより、店舗拡大といった成長戦略やグローバル展開を目指す方針だ。

(※1):財務省「令和元年の税関における知的財産侵害物品の差止状況」より