アカツキは8月6日、eスポーツ実業団「Team UNITE」の発足を発表した。第一弾タイトルはトレーディングカードゲーム「MTG(マジック・ザ・ギャザリング)」で、選手2名とコーチ1名が参加する。
アカツキは、ゲームを軸としたIPプロデュースカンパニーとして、モバイルゲーム事業を中心にエンターテイメントをグローバルに展開している企業。直近では、独自IPタイトルとして開発した「八月のシンデレラナイン」をAndroid/iOS向けに提供している。
今回発表されたTeam UNITEは実業団という形態で活動するeスポーツチームで、第一弾では世界的に人気のトレーディングカードゲーム「MTG(マジック・ザ・ギャザリング)」へ参入。グランプリメンフィス2019 TOP8の井上徹氏と、MAGICワールドカップ2018 TOP8の森山真秀氏が選手として参加し、コーチとして2006世界選手権団体戦準優勝の片山英典氏が参加する。
またTeam UNITEでは、単一のゲームタイトルに限定せず活動を行う方針で、第二弾タイトルとしてバトルロイヤルFPSゲーム「Apex Legends」への参入もあわせて発表した。現在、アカツキの求人ページから、同タイトルの選手を募集している。
今回のeスポーツ実業団発足の背景として同社は、eスポーツへの注目が国内でも年々高まっていると説明。ゲーム会社に限らず、飲料や電機、金融など異業者からの参入も増えているものの、海外と比較すればまだ日本には伸び代があるという。
日本での普及促進が進まない要因に、練習や活動環境などが整備されていないことが挙げられると同社。大会の賞金や企業からのスポンサー料で安定的に生活している専業の選手はまだごく一部で、兼業プレイヤーは競技に専念する十分な時間と環境が維持できない現状を指摘する。
Team UNITEでは、アカツキが選手をゲーム事業部で雇用することで、選手が業務に携わりながら安定した練習時間を確保できる勤務体系を用意する。選手は豊富なゲームプレイ経験を、ゲームバランスチェックなどの検証作業に活かしつつ、競技に打ち込んでいくことができるという。
選手両名に対して行われたインタビューでは、森山氏が「フルタイムで働きながら競技シーンに挑戦していくのは経済的にも体力的にもやっぱり大変なので、強みを生かした業務に関わりつつ練習に打ち込んでいける環境が整うのは助かります」と話し、実業団としてeスポーツに取り組める強みを説明した。
発表では、チームのコンセプトや方針についても説明。中でも目を引いたのはユニフォームで、一般的にはサッカーユニフォームのようなスタイルが多い中、アパレルメーカーのナノ・ユニバースとコラボしたセットアップを公開。今年秋までの完成を予定しているという。