ロジクールが「Mac専用」を看板に掲げる「MX MASTER 3 for Mac」を、Bluetoothワイヤレスマウスの新製品として発表しました。最新のmacOSに最適化したマウスの使い心地を“愛するパソコンはMac”と決めている筆者が試してみました。

  • ロジクールからMac専用を掲げるハイエンド・ワイヤレスマウス「MX MASTER 3 for Mac」が発売されます

    ロジクールからMac専用を掲げるハイエンド・ワイヤレスマウス「MX MASTER 3 for Mac」が発売されます

「MX MASTER 3」のスゴいところはそのまま

MX MASTER 3は2019年の秋に発売されたロジクールのハイエンドクラスのBluetoothワイヤレスマウスです。本機の発売以後、獲得してきたユーザーの約3割が“Macユーザー”だったことに加えて、元もと欧米を中心にロジクールのMXシリーズにはMacユーザーのファンが多く付いていることが市場調査の結果でわかっていたことから、最新MXシリーズのMac専用機が企画されたそうです。

  • 左側が「MX MASTER 3 for Mac」。MacやiPadの定番カラーである「スペースグレイ」とパーツの色を合わせています。右側が「MX MASTER 3」のブラック

MX MASTER 3は7つのボタンを搭載する多機能ワイヤレスマウスでありながら、本体は手に馴染むサイズ感。またその形状にはロジクールが独自に磨き上げてきた、マウスのためのエルゴノミクス(人間工学)デザインの知見が、存分に活かされています。

歴代シリーズのマウスが特長としてきたスクロールホイールの軽快な操作も、MX MASTER 3では大幅アップデート。新しい「MAGSPEED電磁気スクロール」では、ホイールをゆっくりと回転させたときに指先に返ってくるトルク感を磁力制御により精密に再現。反対に秒間約1,000行という高速スクロールも同時に実現しています。

  • 正確&超高速スクロールを実現したMX MASTER 3の「MAGSPEED電磁気スクロール」がMac専用モデルにも採用されています

4,000dpiの高解像度センサーにより、ガラス板の上でも正確にマウスの動きをトランキングするロジクール独自の「Darkfieldセンサー」もMXシリーズならではの快適な動作を実現する基幹技術として多くのユーザーに信頼を獲得しています。

  • MX MASTER 3のエルゴノミクスデザインを継承。親指の位置にスクロールホイールと2つのボタンがあります

  • コンパクトでよく手に馴染むサイズ感としています

どのあたりが「Mac専用機」なのか?

これらのスタンダード版MX MASTER 3に搭載されている先進技術はそのままに、新製品のMX MASTER 3 for Macは、macOS環境でもっと快適に使えるように接続性能とデザインの統一感を高めています。2019年秋に、アップルがiPadのために最適化したOSとして発表した「iPadOS」での動作検証も入念に行われました。

ロジクールが対象OSとして推奨する環境はmacOS 10.15(Catalina)/iPadOS 13.4以降のみです。ですが、筆者が所有するWindows 10搭載のPCにBluetoothでペアリングしてみたところ、こちらも基本的な操作は問題なくできました。

なお、MX MASTER 3 for Macには2.4GHz帯デジタル無線接続に対応する「Unifyingレシーバー」が同梱されていません(スタンダード版には同梱されています)。UnifyingはPCのUSB端子に接続して使うマイクロサイズのレシーバーです。ロジクールではワイヤレス操作のレスポンス、精度を向上させる独自のデバイスとして使用を推奨しています。

ところが昨今のMacBook製品には、本機を直接装着できるUSB Type-A端子がありません。筆者も最初はMX MASTER 3のUnifyingレシーバーを、USB Type-Cハブを介してMacBook Airにつないでいたのですが、時々操作の遅延が発生することがあったり、外出するたびにマウスとレシーバー、USBハブを持参することが面倒になってしまい、今では主にMX MASTER 3をBluetoothでMacBookに接続しています。

  • Mac専用のMX MASTER 3にはUnifyingレシーバーが同梱されていません。MacBookの場合、USB Type-A接続の小さなドングルは変換アダプタ等を使って接続する必要があります

UnifyingレシーバーをAタイプのUSB端子に直接挿せて、ポートの数に余裕のあるiMacやMac miniで使うのであれば“for Mac”ではないMX MASTER 3もおすすめですが、MacBookユーザーではMX MASTER 3 for Macの方が、Bluetooth接続で機動力も確保できるかもしれません(Unifyingのほうが安定している面もありますが、個人的にはBluetooth接続でスムーズに使えました)。

最新のmacOS環境で試した

MX MASTER 3 for Macの使い心地を、筆者のMacBook Air(2019年モデル / macOS 10.15.6)にペアリングして試しました。

  • テストのリファレンスにしたのはMacBook Air / macOS 10.15.6。ロジクールが推奨している使用環境です

MacとのBluetooth接続は安定感が高く、スリープ状態から再起動しても素速く立ち上がります。ポインタやスクロールホイールのトラッキング精度は、言うまでもなく元のMX MASTER 3と同様に高品質です。

念のためMX MASTER 3に付属するUnifyingレシーバーにペアリングしてみましたが、こちらも問題なく使えそうです。

macOSの場合は、Logitec Optionsアプリケーションからマウスの各ボタンに任意の操作が割り当てられます。スクロールホイールの手前にある「モードシフトボタン」に「画面のキャプチャ」を割り当てると、macOSの標準ショートカットキー操作である「Cmd+Shift+3/4」よりも手早くスクリーンショットが撮れるのでおすすめです。

水平スクロールホイールの下にある「戻る&進む」ボタンも、「コピー&ペースト」に設定を変えるとExcelのシートへのデータ入力がテンポ良くできます。

  • Logitec Optionsアプリケーションから、マウスが搭載する各ボタンに割り振る操作をカスタマイズできます

MX MASTER 3の各ボタンには、特定のアプリケーションごとに最適なショートカットがデフォルト設定されています。

例えばAdobe Photoshopの場合、筆者はデジタルカメラで撮影した写真データをMacでレタッチ修正するときに、サイドホイールに設定した「ブラシのサイズ」変更をよく使います。Logitec Optionsアプリケーションからアプリごとのデフォルト設定は自由に変えられます。