NECとクラフトビールメーカーである協同商事 コエドブルワリー(コエドブルワリー)は7月15日、人とAIの協調による世代間コミュニケーションの促進を目的に、トレンドを反映する雑誌記事をAIで分析し、世代の特徴を表現したクラフトビール「人生醸造craft」を開発したと明らかにした。コエドブルワリーは同日からコエドビールオンラインショップで販売開始する。

新商品の開発には、NECのAI技術群「NEC the WISE」を用い、小学館提供による雑誌のファッション画像と文章を分析。これにより、クラフトビールを楽しむ順番として一般的な「色・香り・味」の3ステップを数値化し、ビール職人が20~50代の4世代の特徴を4種類のクラフトビールとして表現した。

色は、お酒を飲み始める20代の頃に発行された雑誌の画像を参考に表現し、画像処理AI技術を活用することでファッション画像を学習データとして取り込み、服のイメージ画像を生成。これをもとに、時代のトレンドカラーをクラフトビールの色として職人が表現している。

香りは、各世代の20代から現在までの中間となる10年間に発行された雑誌の文章を参考に表現。自然言語処理AI技術を活用し、単語の意味情報を取り込んで学習データとした上で、文章に登場する意味が近い単語の発生割合に応じてフルーティー、キャラメル、フェノールなどの香りを数値化しており、数値をもとにクラフトビールの香りを職人が表現した。

味は、各世代が今読んでいる雑誌の画像を参考に表現しており、小学館の担当者がファッションテイスト(色の系統・甘め/辛めスタイル・フェミニン/コンサバ系など)と味の指標(甘味・苦味・酸味・ドライ)を紐づけた教師データをもとに、NEC the WISEのディープラーニングAI技術「RAPID機械学習」で、ファッション画像を分析し数値化し、これをベースにクラフトビールの味として職人が表現。

  • 「人生醸造craft ~40’s YELLOW~」の例

    「人生醸造craft ~40’s YELLOW~」の例

分析対象の雑誌は、CanCam、Oggi、Domani、Precious、DIME、BE-PAL、女性セブン、週刊ポストの過去約40年間に発行された記事となる。

新商品は、人生醸造craft ~20's PINK~ (発泡酒)、人生醸造craft ~30's BLUE~ (同)、人生醸造craft ~40's YELLOW~ (ビール)、人生醸造craft ~50's RED~ (発泡酒)の各350ml缶が箱入りセットで、価格は税別で1400円。

なお、今回の企画はNECがAIによる味覚予測シリーズとして、名作文学の読後感をAIで分析しコーヒーの味わいで再現したブレンドコーヒー「飲める文庫」(2017年発表)、2018年の新聞記事をAIで分析しその時代のムードをチョコレートの味わいで再現した「あの頃は CHOCOLATE」(2018年発表)に続く、第3弾商品となる。