キヤノンは7月9日、フルサイズミラーレス「EOS R」シリーズのカメラ本体や交換レンズを多数発表した。カメラ本体は、手ぶれ補正搭載レンズを用いた場合に最大8段分もの補正が可能なボディ内手ぶれ補正機構を搭載するなどして従来モデルの不満を一掃した高性能モデルを、交換レンズはこれまでにない小型&低価格の超望遠レンズや一番人気の望遠ズームレンズを投入するなど、これまで地味な印象だったEOS Rの印象をガラッと変える“出し惜しみなし”“ミラーレスへの本気”“新鮮さ”を感じさせる新製品投入となった。既存一眼レフユーザーの買い替えや買い増しを狙うほか、超望遠撮影に魅力を感じるスマートフォン愛用者にも訴求する。

  • 標準ズームレンズ付きで税別35万円を切る新たな主力モデル「EOS R6」が登場。バランスのよい1台で、一眼レフからの移行を促すヒットモデルとなりそう

今回発表した新製品のラインアップと予想実売価格(税別価格)は以下の通り。

カメラ本体

製品名 予想実売価格 発売日
EOS R5 460,000円 7月下旬
EOS R6 305,000円 8月下旬
EOS R6 24-105レンズキット 345,000円 8月下旬

フルサイズミラーレスは、4500万画素の高画素モデル「EOS R5」と2010万画素の「EOS R6」の2製品を投入。一眼レフEOSと同様のサブ電子ダイヤルを搭載するなどして操作性を一新したほか、最大8段分ものボディ内手ぶれ補正機構の搭載、記録メディアのデュアルスロット化、EVFの見やすさなどを高めるなどして、現行のEOS Rと比べて大幅に改良した。

  • 高いレベルでまとめた高画素モデル「EOS R5」も投入する

両者は、画素数やボディの素材、使用メディア、動画機能、EVF性能などが異なるものの、基本的な撮影性能はほぼ同等。実売30万円前後のEOS R6を“フルサイズの標準”と位置づけて主力モデルとし、EOS R5は性能を研ぎ澄ませたシリーズの象徴として趣味層やプロに売り込む。

交換レンズ、テレコンバーター

製品名 予想実売価格 発売日
RF600mm F11 IS STM 88,000円 7月下旬
RF800mm F11 IS STM 113,000円 7月下旬
RF100-500mm F4.5-7.1 L IS STM 335,000円 9月下旬
EXTENDER RF1.4x 63,000円 7月下旬
EXTENDER RF2.0x 75,000円 7月下旬
RF85mm F2 MACRO IS STM 76,000円 10月下旬

交換レンズも力が入っている。特に注目なのが、2種類の超望遠レンズ「RF600mm F11 IS STM」「RF800mm F11 IS STM」を投入すること。明るさや絞り機構、外装の質感などを割り切った設計とする代わりに、従来の超望遠レンズよりも圧倒的な小型軽量化と低価格化を図った。手持ちで振り回せる点で、野鳥などの野生動物の撮影に機動力を求める人に注目を集めそうだ。スマホでは不可能な超望遠撮影が高画質でできることで、ふだんスマートフォンを使っている若年層にも響く可能性がある。

  • 割り切った設計でサイズと価格を抑えた新趣向の超望遠レンズ2本も投入する

画質重視の超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS STM」も待望の存在といえる。一眼レフ用のEFレンズでは、大三元の望遠ズーム「EF70-200mm F2.8L IS II USM」よりも、ズームレンジの広い「EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM」が売れており、望遠域の拡大と小型軽量化を両立したRF100-500mm F4.5-7.1 L IS STMの登場は、一眼レフからミラーレスへのシフトを促す原動力となりそうだ。

  • 望遠側を伸ばした超望遠ズームレンズ「RF100-500mm F4.5-7.1 L IS STM」も注目の存在だ

2種類のエクステンダーは、今回発表した3本の望遠レンズすべてで利用できる。

アクセサリー

製品名 予想実売価格 発売日
バッテリーパック LP-E6NH 11,000円 7月下旬
ワイヤレストランスミッター WFT-E10B 118,000円 7月下旬
バッテリーグリップ BG-R10 33,000円 7月下旬