製品評価技術基盤機構(以下 NITE・ナイト)は6月25日、エアコンの内部洗浄による事故、および製造から長期間経過した換気扇・扇風機の使用に関する注意喚起を、同機構のWebページに掲載した。

  • 誤った方法で洗浄すると出火の恐れがある(出典:NITE 発表資料)

NITEによると、同機構に通知された製品事故情報において、エアコンの事故は2015年度~2019年度の5年間に合計263件発生し、うち火災が244件、死亡事故が6件(7名)にのぼるという。特に7月はエアコンの火災事故が多く発生するといい、誤った内部洗浄方法による火災事故が2019年度までの5年間に20件発生したとする。

エアコン内部洗浄の事故事例では、洗浄時、エアコンの内部配線端子部分に洗浄液が付着し、端子部でトラッキング現象が起こった結果、異常発熱が生じ出火した事故が挙げられている。トラッキング現象とは、付着したほこりや水分によりトラック(電気の通り道)が生成され、異常発熱する現象。

消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウムも避ける

同機構では、エアコンの内部洗浄は正しい知識を持った業者に依頼することを推奨しており、自分でエアコン内部を洗浄する際は、絶対に電気部品に洗浄液がかからないように注意するよう警告している。また、発火・破損の恐れがあることから、消毒用アルコールなどの可燃性の溶液や、次亜塩素酸ナトリウムなど腐食性のある溶液で内部を掃除しないように呼びかけている。

  • 漂白剤の使用も機器の破損につながる(出典:NITE 発表資料)

換気扇・扇風機についても、製造から長期間経過している製品は内部部品の劣化で発火する恐れがあるとし、注意喚起を促している。使用開始前における注意事項を確認し、異常があれば直ちに使用を中止するとともに、使用している製品がリコール対象か否かを確認することも推奨している。

換気扇の事故事例では、約18年使用した換気扇において、長期間の使用によりモーター巻線の絶縁性能が低下し、ショートして出火した事故が挙げられている。こうした事故を未然に防ぐため、羽が回転するときに異常な音や振動がしないか、動いたり止まったりと不安定な動作をしていないかなどを確認するよう促している。