米AMDは米国時間の6月16日、Ryzen 3000XTプロセッサ3製品を発表した(発表資料)。
7月7日にRyzen XTを3製品
追加されたのはRyzen 9 3900XT、Ryzen 7 3800XT、Ryzen 5 3600XTの3製品。既存のRyzen 9 3900X/Ryzen 7 3800X/Ryzen 5 3600Xと併せてスペックを表1にまとめたが、要するに定格動作周波数は据え置きのまま、Boost時の動作周波数を100/200MHz引き上げたのが違いである。TDPや価格なども同じままになっており、マイナーチェンジというか、車で言えばカラーバリエーションを追加しましたという程度の違いだろうか。
■表1 | |||||
モデル | コア/ スレッド数 |
動作周波数 (GHz) |
TDP (W) |
推奨小売価格 ($) |
|
---|---|---|---|---|---|
定格 | Boost | ||||
Ryzen 9 3900XT |
12/24 | 3.8 | 4.7 | 105 | 499 |
Ryzen 9 3900X |
12/24 | 3.8 | 4.6 | 105 | 499 |
Ryzen 7 3800XT |
8/16 | 3.9 | 4.7 | 105 | 399 |
Ryzen 7 3800X |
8/16 | 3.9 | 4.5 | 105 | 399 |
Ryzen 5 3600XT |
6/12 | 3.8 | 4.5 | 95 | 249 |
Ryzen 5 3600X |
6/12 | 3.8 | 4.4 | 95 | 249 |
この目的は、IntelのComet Lake投入に対応して、何も出さないでいると「Intelの新製品に対抗できる製品が無い」とか言われかねないので、とりあえず対応したという感じに近い。実際、性能レベルでは十分拮抗できている(というか、性能消費電力比で言えばかなり優秀)だけに、別に大幅に性能を引き上げたりする必要性は無い。もっと言えば、第3四半期にはおそらくZen 3ベースの製品を投入する予定であり、そこまでの繋ぎとして、軽くポイントリリーフを入れたという感じである。ちなみにこの「XT」の3製品、発売開始は7月7日を予定している。
8月にA520マザーボードが各社から
またこれにあわせ、AMDは新しくAMD A520チップセットを投入した事も発表した。現時点で詳細な情報は明らかになっていないが、第3世代Ryzenに対応した低価格向けチップセットであるとされ、恐らくはPCI Express Gen4が利用できる最も低価格なマザーボード向けに提供されるものと思われる。このA520チップセットを搭載したマザーボードは、今年8月よりASRock/ASUS/BIOSTAR/Colorful/GIGABYTE/MSIを含む各社から発売予定となっている。
更にもう一つ、StoreMI 2.0に関する発表もあった。Store MIそのものは以前こちらで紹介しており、ベンチマークも以前取っているが、今年3月末にこの初代Store MIの提供が終了した。Store MIの中身は要するにFuzeDriveで、AMDがこのFuzeDriveのライセンスを取得してRyzen向けに提供していたものだが、新バージョンに切り替えるということで提供が一旦中止になった。その新バージョン(StoreMI 2.0)ではキャッシュアルゴリズムを新しくしており、HDD単体の場合と比較するとブート時間を31%、ゲームのロード時間を13%節約できるとされる。
現時点ではこのStoreMI 2.0のダウンロードリンクは公開されておらず、また提供開始時期についても明らかにはなっていない。