米Appleは6月11日 (現地時間)、初の完全オンライン開催になる開発者カンファレンス「WWDC20」(6月22日〜26日)のイベント概要を発表した。6月22日午前10時 (日本時間:6月23日午前2時)にスタートする「スペシャルイベント基調講演」で開幕。開発者がWWDCに参加する大きな理由となっている1対1の開発者ラボも例年通り行われる。
全てのプログラムがオンラインで実施される今年のWWDCは、Apple Developer Programメンバー向けの開発者ラボを除いて誰でも無料で参加可能。Appleの開発者コミュニティを支える世界中の2,300万人以上がオンライン参加できる初の試みであり、Appleは「史上最大規模の世界開発者会議」とアピールしている。主なイベントやセッションのスケジュールは以下の通り。
- 6月22日午前10時 (日本時間 6月23日午前2時): スペシャルイベント基調講演
- 6月22日午後2時 (日本時間 6月23日午前6時): Platforms State of the Union
- 6月23日~26日 (日本時間 6月24日未明~27日): エンジニアリングセッション
- 6月23日~26日 (日本時間 6月24日未明~27日): 開発者ラボ (予約制)
基調講演はライブストリーミングで配信する予定。apple.com、Apple Developerアプリ、Apple Developerウェブサイト、Apple TVアプリ、YouTubeなどで視聴できる。また、ライブ配信終了後にオンデマンドで視聴できるようになる予定。
WWDCの基調講演では毎年、Apple製品のプラットフォーム (iOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOS)の次期メジャーバージョンを発表し、直後に開発者向けのプレビュープログラムの提供を開始している。Apple Musicのようなサービス、Mac ProやMacBook Proのようなプロフェッショナル向けのハードウェアをWWDC基調講演で発表することもある。
Platforms State of the Unionでは、基調講演で発表したiOS、iPadOS、macOS、tvOS、watchOSの進化について、Appleのエンジニアリング・チームのリーダーがより深く掘り下げて解説する。
エンジニアリングセッションには、技術とデザインにフォーカスした100以上のセッションが予定されている。セッション映像は6月24日から毎日午前2時 (日本時間)に公開され、iPhone、iPad、Apple TVのApple DeveloperアプリおよびApple Developer Webサイトなどで視聴できる。
1対1の開発者ラボ (Apple Developer Programメンバー向け)はこれまでオンライン化されていなかった人気プログラムであり、WWDCのセッションがオンライン配信されるようになってからも多くの開発者がWWDC会場での参加を希望する大きな理由の1つになっていた。会場に設けられた相談ブースでAppleのエンジニアに直接質問し、新機能の実装方法や開発技術などの指導を受けられる。それが今年はオンラインで実施される。完全予約制で定員があり、世界中から希望者が殺到することを考えると例年以上に予約が難しくなりそうだ。
また、Apple Developerフォーラム(Apple Developer Programメンバー向け)が6月18日に刷新される。開発者コミュニティと1,000人以上のAppleのエンジニアをつなぎ、エンジニアが質問に対して回答したり、技術的な議論を深められる場になるという。