アットホームは5月25日、データ解析事業を行うアットホームラボ及びマーケティングシステムの企画・開発・運営を行うGFLと業務提携し、2020年5月からAI(人工知能)を活用した不動産クロージング技術(契約に導くマーケティング技術)についての共同研究を開始したと発表した。研究の具現化策の第1弾として、2020年秋頃を目処に、物件のアピールコメント自動生成機能を「ATBB(不動産業務総合支援サイト)」に搭載する予定だ。

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新たに開始した共同研究は、アットホームに集約している不動産情報を、アットホームラボのデータ解析技術とGFLのマーケティングソリューション技術の融合により、次世代の真の価値への昇華を目指しているという。

不動産情報の価値は、取引が成立する瞬間、すなわちクロージング時に最大化するとのこと。

クロージングには、豊富な経験と高度な説明力・言語化力が求められるため、これまでは限られたベテラン営業担当者のスキルに依存していたという。

同研究の目的は、このベテラン不動産営業担当者のクロージングスキルを、AIによりデジタルの世界で再現し、アットホーム加盟店の早期成約と消費者のスムーズな住まい探しを支援しようとするものだとしている。

アピールコメント自動生成機能に関して、現在は「不動産情報サイトアットホーム」で消費者向けの物件広告を行う際に不動産会社が1件1件物件のアピールコメントを作成・手入力しており、この業務負担は少なくないという。

一方、同サイトで住まい探しをする消費者にとって、物件固有のコメントは大切な判断材料とのこと。

今回開発するコメントの自動生成機能では、業務負担の軽減に加えて、AIの使用により画一的なコメントではなく他物件と比較して特徴的な条件・設備に関するコメントを優先的に採用するなど、消費者に物件の魅力を十分に伝えることができるとしている。

不動産会社と消費者双方にメリットがあるソリューションの提供を第1弾の目的として、共同研究を開始したという。

今後の同研究では不動産のクロージング技術として、物件の潜在価値抽出技術、顧客洞察抽出技術、言語化技術の3領域を探求していく予定としている。

物件の潜在価値抽出技術では、アットホームラボが蓄積してきた画像やテキストの解析技術を基に、物件ごとの隠れた魅力を抽出し、消費者に気付きと確信を与えられるような表現開発に関する研究を行うとのこと。

顧客洞察抽出技術では、アットホームに蓄積しているDMP(データマネジメントプラットフォーム)データや行動履歴を使用し、消費者個々の深層欲求をきめ細かく把握する技術を探索するという。

言語化技術では、問い合わせや閲覧行動から、アピールコメントを自ら学習し進化させていく自立技術の実現を研究するとしている。