サイバーエージェントは5月22日、検索連動型広告の検索キーワードすべてに対し広告文を自動生成する「広告テキスト自動生成AI」を開発し、広告配信効果を事前予測する「効果予測AI」と掛け合わせ、検索連動型広告の効果を改善する「極予測TD(キワミヨソクティーディー)」として提供を開始すると発表した。

  • 極予測TD(キワミヨソクティーディー)による効果

検索連動型広告は広告効果を最大化する上で「予算や入札管理の最適化」 「ユーザーのニーズを反映した大量の検索キーワード」 「検索キーワードに対し関連性が高く、媒体による品質評価(アドランク)が高い広告文の制作」が重要とされているが、数億を超える検索キーワードおいて人間がすべての広告文を生成することは膨大な時間と手間を必要とするため現実的ではなかった。

これまで検索連動型広告では、主に一部重要なキーワードに対する継続的な広告テキストの変更・改善施策が行なわれてきたが、「極予測TD」を用いることで、数億を超える検索キーワードすべてに対して自動でテキストを作成し、QS(キーワード毎の品質スコア)を向上させる施策を継続的に実施することができるという。

さらに、すべての検索キーワードにおいて「効果予測AI」を実施し、新規テキスト同士の効果予測ではなく、「現在配信中で最も効果が出ている既存テキスト」に対し新テキストの効果予測値を競わせ、AIによる効果予測値が既存1位よりも上回った新テキストのみを広告主に納品し、配信を行う。

これにより、「検索キーワードに対し関連性が高く、媒体による品質評価が高い広告文」の生成と配信が、すべてのキーワード単位で実施可能となり、QSの更なる上昇、継続的な改善が可能になる。

同社の先行テストでは、新広告テキスト配信時のQS上昇率比較において、「極予測TDによる制作プロセス」は「通常の制作プロセス」の2.3倍という結果が出たそうだ。

なお、「極予測TD」は自然言語処理を専門とし高い業績を挙げている東京工業大学の奥村学教授および高村大也教授と共同研究を行っており、これまでの同社の実績と蓄積してきたデータを組み合わせ、研究開発をしている。今後、同技術に関し学術研究会の場において研究論文の発表を予定しており、現在特許出願中であるとのこと。