Inkscape開発チームは5月4日(米国時間)、「Introducing Inkscape 1.0|Inkscape」において、ベクターグラフィックエディタ「Inkscape」の初のメジャーバージョンとなる「Inkscape 1.0」の公開を伝えた。Linux、Windows、macOSに対応している。

バージョン0.92が2017年1月にリリースされており、約3年間の開発期間を経て初のメジャーバージョンリリースに到達したことになる。バージョン1.0は次のページからダウンロードできる。

Inkscae 1.0の主な特徴は次のとおり。

  • 高解像度スクリーン(HiDPIスクリーン)サポート向上
  • 新しいライブパスエフェクト選択ダイアログの導入
  • 新しいコーナーライブパスエフェクト機能の導入
  • 分割ビューおよびX線モードの導入
  • パス操作および多数パスの選択・解除処理またはグループ化・解除処理の大幅な高速化
  • テキスト行高さの改善
  • バリアブルフォントのサポート導入
  • ブラウザ互換フローテキストをサポート
  • 左上隅の原点をチューニング
  • キャンバスの改善およびミラーリングに対応
  • オブジェクトのキャンパス上の配置を改善
  • 感圧グラフィックタブレットで編集可能な可変幅ストロークを描画するためのPowerPencilを導入
  • 新しいPNGエクスポートオプションの導入
  • 統合された中心線トレース機能の導入
  • 拡張プログラミングインターフェースのアップデートと新しいオプションの導入
  • 拡張機能におけるPython 3のサポート
  • テーマのサポートおよびそのほか新しいカスタマイズオプションの提供
  • 新しいロスレスプール演算LPEの導入(実験段階)
  • macOSをネイティブサポート(署名および公証された.dmgファイルの提供)。ただし現時点ではmacOS版はプレビュー版という位置づけで、今後のリリースでプレビューという位置づけが外れる予定
  • 新しいアライメントハンドルセットを使ったキャンバス上のオブジェクトアライメント操作 - 資料: Inkscapeチーム提供

    新しいアライメントハンドルセットを使ったキャンバス上のオブジェクトアライメント操作 -資料: Inkscapeチーム

  • コーナーライブパスエフェクト機能を使った角丸め処理 - 資料: Inkscapeチーム提供

    コーナーライブパスエフェクト機能を使った角丸め処理 資料: Inkscapeチーム

  • リアルタイムのテーマ切り替え機能 - 資料: Inkscapeチーム提供

    リアルタイムのテーマ切り替え機能 資料: Inkscapeチーム

  • 新しいライブパスエフェクト選択ダイアログ - 資料: Inkscapeチーム提供

    新しいライブパスエフェクト選択ダイアログ 資料: Inkscapeチーム

  • ドローイング中イメージを簡単にプレビューするためのスプリットビューモード - 資料: Inkscapeチーム提供

    ドローイング中イメージを簡単にプレビューするためのスプリットビューモード 資料: Inkscapeチーム

Inkscape 1.0で実現された新機能については、次の動画も参考になる。Inkscape 1.0でどのようなベクターグラフィックの作成が可能かを知ることができる。

InkscapeはLinux、Windows、macOSで使用できるオープンソースのベクターグラフィックエディタ。漫画、クリップアート、ロゴ、タイポグラフィなど芸術的または的なイラストの作成に使われている。SVGをメインのフォーマットとして採用しつつ、AI、EPS、PDF、PS、PNGなどさまざまな形式に対応している。