プラネタリウム投影機の設計・開発を手がける大平技研は、埼玉県の坂戸児童センターに設置されている「メガスター」を使い、開発者の大平貴之氏による生解説上映会を5月5日に無観客で実施。その模様をYouTubeでライブ配信する。イベント名は「MEGASTARオンラインプラネタリウム」。

  • MEGASTARオンラインプラネタリウム

    「MEGASTARオンラインプラネタリウム」

緻密な星空を映し出すメガスター(MEGASTAR)シリーズならではの光学式の技術と、デジタル投影の独自技術を組み合わせたプラネタリウム投影システム「MEGASTAR-FUSION」から映し出される星空や映像を見ながら、開発者である大平貴之氏がみずから、季節の星空や天体、宇宙などについて紹介する。YouTube Liveのチャットを使い、視聴者からの質問も受け付ける。

  • MEGASTARオンラインプラネタリウム

    プラネタリウム開発者の大平貴之氏。今回の配信イベントでは、みずから季節の星空や天体、宇宙などについて紹介する

今回の配信イベントでは、解説する大平氏を含む、ドーム内の様子を配信する「平面映像回」(2回)と、MEGASTAR-FUSIONから映し出される映像を360度全方向で、大平氏の解説音声付きで配信する「VR映像回」(1回)の2種類、計3回を予定。いずれも約30分の生放送となる。Wi-Fi環境があり、部屋の電気を消したりカーテンを閉めるなど、なるべく暗い場所の方がよく見えると案内している。

平面映像回は坂戸市のYouTube公式チャンネル、VR映像回は大平技研のYouTubeチャンネルから配信する。配信スケジュールは以下の通り。

■「MEGASTARオンラインプラネタリウム」配信日時

VR映像回をPCから見る場合、映像をマウスでドラッグすると映像が前後左右に動き、好きな方向の映像を楽しめる。スマートフォンの場合は、ジャイロセンサーを搭載した機種であれば、スマホをかざした方向の映像が見られる。VRゴーグルを使って見ることも可能だ。今回の配信にあたり、ライブ配信の企画プロデュースなどを手がけるライバーエージェントが技術協力している。

なお、会場となる坂戸児童センターは5月31日まで休館中で、一般の視聴者は入館することはできない。当日は、出演者、スタッフの新型コロナウイルス感染予防対策を徹底し、必要最少人数で運営するという。

メガスターはプラネタリウム開発者で、大平技研の代表取締役も務める大平貴之氏が開発した、プラネタリウム投影機シリーズの名称。「天の川の微細な星の一粒一粒までもミクロン単位の点の集合体として表現しており、星空の奥行まで感じられるリアルな星空」を特徴としている。

これまでに世界13カ国の37施設に設置され、東京・江東区の日本科学未来館に設置されている「MEGASTAR-II cosmos」は、2004年に「世界で最も先進的なプラネタリウム投影機」としてギネスワールドレコーズに認定。また、持ち運びができるモバイルプラネタリウムとして、イベントやアーティストのコンサートなどでも広く使われている。

大平貴之氏の生解説上映会は、毎年5月5日に坂戸児童センター「こどもまつり」で行われており、「入場券があっという間に売り切れる」ほど人気がある名物企画だという。

今回のオンラインイベントについて、大平技研は「今年(2020年)は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、坂戸児童センターが臨時休館しており、『こどもまつり』も開催できない状況。そこでこの生解説上映会(無観客)の模様をYouTubeでライブ配信することにした。外出自粛中の子どもたちが、まるでその場に参加しているかのような気分で楽しんでもらえるよう、臨場感ある映像を届ける」としている。