――1年半放送された『計算中』を振り返ってみて、いかがでしたでしょうか。

帆風:22/7のキャラクターを世間に知ってもらえる貴重な機会をいただけました。みなさんの持つ22/7のイメージは、ほとんど『計算中』のものなんじゃないでしょうか。麗華ちゃんがファンのかたからどう見られているか知る機会にもなりましたね。

また、放送がスタートしたときは8人だったんですが、番組のイベントで3人のキャラクターが発表されました。彼女たちの活躍の場も『計算中』にありましたし、22/7のメンバー11人全員が一緒に歩きだせた番組……。思い入れは深いです。

番組自体すごく楽しくて、自分らしさを見つけられたメンバーもいるくらい。ほんとうに、グループとして成長させていただいた、すばらしい機会だったと思います。

  • 計算中のワンシーン。メンバーはモーションセンサーをつけて収録する

――印象に残っている回はありますか?

帆風:普段おとなしい滝川みうちゃんのテンションを上げようという企画ですね。みんなで彼女を喜ばせる動画を撮って、みうちゃんに採点してもらう回がありました。

私がチャレンジしたのは、「スポンジスライム」を切った音をのせる「ASMR」動画。そこで、私自身の口ぐせでもある「ヨイショ~!」って声が、動画にすごい入っちゃったんです。よくある普通の口ぐせだと思っていたんですが、「そこまで?」って思うくらい番組で拾ってもらえました。

そのときに、気を張りすぎず、自分自身から自然に出たことが意外と反応してもらえるんだなって思えて、より自然体でがんばろうと思えるきっかけにもなりましたね。白沢かなえちゃんは、気に入ってくれたのかツイッターでタグまで作ってくれたんです。「ヨイショ~!」が原因で、滝川みうちゃんの点数は下がってしまいましたけど。

――『計算中』で感じたリーダーならではの苦労などがあれば教えてください。

帆風:メンバーはそれぞれ、どんなキャラクターか意識しながら収録に臨んでいます。佐藤麗華は役柄として、あまりふざけすぎることができないのが特徴。戸田ジュンや藤間桜、河野都という明るいキャラクターに対して、自分はツッコミに徹しようと思うのに、気づいたらイジられていて、ポンコツ扱いされるんです。不思議でしたね。

まぁ、それはそれで1つのキャラができたのでみんなには感謝しています。むしろ、自分ではポンコツだと思っていないので、みんながそういうキャラに作り上げてくれたんだと受け止めていますよ。

2020年1月からスタートしたテレビアニメの注目ポイントは?

――2020年1月からテレビアニメがスタートしましたが、完成した映像をご覧になって、いかがでしたでしょうか。

帆風:もともとアニメが好きなので、自分の演じたキャラクターが動いている姿を目にしたときは、うれしかったですね。アフレコの段階では色が付いていなかったり、お芝居に集中していたりしましたが、完成した映像は“1つの作品”になっていて、本当に感動しました。

また、アフレコが進むと自分のお芝居に対する気づきもあるので、改めて見返すと「もうちょっとこうできたんじゃないかな」という反省が出てくることもあります。

1話はもう10回近く見てますが、最初は1人で見るのが怖くて、メンバーの海乃るりちゃんと天城サリーちゃんと一緒に見ました。自分が出るたびに「ワー、キャー」言って、「かわいいよかわいいよ」なんてお互い褒め合ったりして。

  • 2020年1月11日にスタートしたテレビアニメ『22/7』のキービジュアル

――アニメでアフレコの難しさを感じることはありましたか?

帆風:『計算中』やYouTubeチャンネルは、グループの関係性ができあがったあとの彼女たちですが、テレビアニメは出会ったばかりの彼女たちが描かれます。

麗華ちゃんも「メンバーにそんな言いかたしちゃうの?」って思うほどツンツンしている場面があるので、そのときの彼女の気持ちを考えながらお芝居するのが難しいですね。メンバーにキツい言いかたをする辛さもあって、「ごめんねー」って思いながら収録しました(笑)。

あと、『計算中』のキャラとはまた違う側面があるキャラクターもいて、ほかのメンバーも苦労しているみたいでした。たとえば、藤間桜ちゃんは『計算中』で「屁理屈クイーン」って呼ばれてるほどすごい自由奔放なんですが、アニメだとすごいいい子なキャラなので、演じている天城サリーちゃんも困惑してましたね。

――アニメの推しポイントを教えてください。

帆風:テレビアニメ『22/7』は、8人が出会ってからアイドルになっていく物語。エクストラエピソード第13話では、さらに3人のキャラクターと8人が出会います。そこでメンバーの関係性がどうなっていくのか、11人としてどう歩き出すのか、見ていただければと思います。

また、「壁」というキーワードにも注目してもらえればうれしいですね。シリアスなシーンも多くて、王道のアイドルアニメとはまた違った22/7らしい展開も魅力。『計算中』をご覧になっていた人は、いままで描かれなかったキャラクターの悩みや葛藤を楽しめると思いますし、22/7のことを知らない人にも楽しんでもらえるストーリーです。

  • ブルーレイディスク(BD)&DVDの第6巻には、エクストラエピソードの第13話「8+3=?」が収録予定

――テレビアニメの佐藤麗華の見どころはどんなところでしょうか?

帆風:キャラクターそれぞれにお当番回があるんですよ。一人ひとりを掘り下げる回ですね。もちろん佐藤麗華ちゃんの回もあって、そこでは「なんで優等生として清く正しく生きることを信念としているのか」が描かれていますし、父親との関係性や、娘としての気の抜けた麗華ちゃんの姿も見どころです。

――テレビアニメのオープニングでもある5thシングル『ムズイ』について教えてください。

帆風:まず、歌詞を見た瞬間にビックリしました。“死にたくなっちゃいけないの?”というフレーズもあって、なかなかインパクトがすごかったですね。これまでの22/7の曲も「人にはなかなか言えない悩みや葛藤」を歌詞にすることで、自分も思ったことがあると共感してもらえる内容だったと思うんですが、今回の曲はより踏み込んだものになっています。

でも、人に言えないことだからこそ苦しいこともあるでしょう。なので、同じように思ったことがある人がいれば、共感という意味で勇気づけられればいいなと。人生をムズイと感じている人に聴いてほしいですね。

――帆風さんが人生でムズイと思うことはなんでしょう?

帆風:そうですね、佐藤麗華ちゃんはグループのリーダーで、私は家族や友達に甘えたがりな性格。そのあたりのギャップは未だにムズイと感じることがありますね。

――2019年の総括と2020年の目標を教えてください。

帆風:2019年は毎月の定期公演に加えて、フェスや海外などでパフォーマンスをお届けする機会が多くありました。広い世界を知ることができたと思います。なので、2019年に吸収したものを2020年はアウトプットできるように、いろいろと挑戦していきたい。テレビアニメも始まったので、より22/7が知られていく年になると思います。グループとしても飛躍の年になるといいな。

――具体的に挑戦してみたいことはありますか?

帆風:声優のお仕事をもっとできるように自分を磨いていきたいですね。あと、『LoL』のチームを組むことと、ゲーム関連のお仕事にももっと挑戦したいです!

――ありがとうございました!

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