Webで安全な通信を確立する方法としては、TLSプロトコルが実質的に標準的な手段として使われている。このプロトコルの歴史は1990年代にSSLとして始まり、以降はTLSとして現在に至る。最新バージョンはTLS 1.3で、現在ではTLS 1.3とTLS 1.2以外のSSL/TLSプロトコルは非推奨とされている。

古いバージョンのTLSのサポートを終了していくことは主要なWebブラウザベンダーが発表しているが、2020年2月6日(米国時間)、Mozillaが「It's the Boot for TLS 1.0 and TLS 1.1 - Mozilla Hacks - the Web developer blog」において、2020年3月10日に出荷を開始する「Firefox 74」からTLS 1.2よりも前のバージョンのTLSサポート終了すると発表した。

Firefox 74でTLS 1.0やTLS 1.1などで提供されているWebサイトにアクセスすると、次のスクリーンショットのように古いバージョンのTLSを使用している旨が表示されることになる。Firefox 74では「Enable TLS 1.0 and 11」といったボタンが表示され、TLS 1.0やTLS 1.1で提供されているWebサイトを表示することも可能になる。

Mozillaは、どの程度のユーザーがこのボタンを使用するかをモニタリングしながら、最終的にどのバージョンでアクセスを完全に遮断するかどうかを決めるが、長期間アクセスを提供することはないとしている。

  • 資料: Mozilla提供

    資料: Mozilla

Mozillaのみならず、主要Webブラウザベンダーは同じような時期にTLS 1.0およびTLS 1.1のサポート終了を予定している。2020年中にはTLS 1.0および1.1の廃止へ向けた取り組みが、大きく進むことになると見られる。