しっかりした座り心地と高級感を両立
1時間ほどで無事に完成したゲーミングチェア。左右が立体的に張り出したグラマラスな形状は、フォーミュラカーのバケットシートそのもの。異なる仕上げの素材を組み合わせた外装はPUレザー(ポリウレタン樹脂性レザー、合成皮革)が用いられており、見た目や手触りは本革並みで高級感もバッチリ。存在感はありすぎるほどだが、ゲーミング用のアクセサリーとしては意外にもデザインや色が派手ではないので、オフィスに置いても違和感はないはず。
いざ、スリーポインテッド・スターのロゴが刻まれたシートに腰をかけてみると、硬めの座り心地にまず驚かされた。表面に張られたPUレザーが厚みのある素材であることも関係していると思われるが、とにかく“しっかり感”が伝わる。会社が用意するオフィスチェアは、どれも例外なくフワフワとした座り心地のものばかりなので、かつてのドイツ車と日本車の違いのよう。30ウン年前に夢見たメルツェデスのシートそのものであった。
これほど硬いと逆に疲れないだろうか…と不安に感じたが、10日間ほどガッツリ座って仕事をしたところ、その心配は杞憂だった。これまでのオフィスチェアは、しばらく座っていると足を組んだり伸ばしたりあぐらをかいたりと、体の姿勢を落ち着かなくコロコロ変えるのが常だった。だが、ゲーミングチェアにしてからはそのようなことが少なくなり、ドッシリと体を委ねて仕事に集中できるようになったと感じる。
密かに日本人向けのカスタマイズが施されていることも評価したい。身長170cmあまりの昭和生まれの筆者、足は人よりもだいぶ短いほうだと自負しているが、座面を一番下まで調整しなくても両足が余裕で床に付いた。これは、欧米モデルよりも短めのガスシリンダーを採用し、日本人でも違和感なく座れるようにしたからだという。
個人的にイイと思ったのが、腰の部分に取り付られるランバーサポートの存在。ちょうどよい具合に腰の部分にフィットしてくれ、背もたれにもたれかからずに仕事をしている間もうまい具合に腰を支えてくれる。チェア全体のデキのよさもあってか、長時間仕事をしていても持病の腰痛でしんどくなることはなくなった。
一方で、ヘッドレストに取り付けるネックピローがあるといまひとつ落ち着かなかったので、こちらは外してしまった。いずれにしろ、好みに応じて付けたり外したり位置を調整したりと、人それぞれの好みに応じて柔軟に使えるのは好ましい。
アームレストは高さや角度などが柔軟に調整できるが、キーボードやマウスに手を延ばしている仕事中は基本的にアームレストに腕が当たることはないので、ありがたみを感じることは少ない。逆に、アームレストがじゃまをしてチェアをデスクに収納できないのが気になるので、底面の六角ネジを外して取り外そうかと考えている。