CES 2020が開催中の米ラスベガスで、HPが2020年の新製品を発表している。狭額縁化で画面の大きさを維持しながら本体サイズはコンパクトになったコンバーチブルPC「HP Spectre x360 15」や、世界で初めてDisplayHDR 600に対応したという一体型PC「HP ENVY 32 All-in-One」、スマートトラッカーを内蔵し紛失時に探せるコンバーチブルPC「HP Elite Dragonfly」などだ。

新型「HP Spectre x360 15」の最大の特徴は、ディスプレイ周りの額縁を4辺すべて狭額縁化したことだ。本体に占める画面の比率は、同じ画面サイズの従来モデルが80%だったところ90%になったとしており、主に画面上下の額縁が削減されたおかげで、従来モデルよりも本体のサイズがかなりコンパクトになっている。

主なスペックは、ディスプレイが15.6インチ、4K解像度のOLEDで、色域はDCI-P3準拠。CPUは第10世代Intel Core i7まで選択でき、GPUにNVIDIA GeForceを組み合わせることができる。本体側面にはセキュリティに配慮したWebカメラのキルスイッチを備え、マイクのミュート機能、指紋リーダーも搭載。無線はWi-Fi 6対応だ。バッテリ駆動時間は最大17時間としている。

発売は北米市場で3月を予定し、価格は1,599.99ドル。

  • 新型「HP Spectre x360 15」

  • 左が従来モデル、右が今回の新モデル。ディスプレイはどちらも15.6型

  • キーボードは変わらずフルサイズで、額縁削減の効果だけでコンパクトに

  • 下が従来モデル、上が今回の新モデル。奥行きがかなり短くなった

「HP ENVY 32 All-in-One」は31.5型液晶の一体型デスクトップで、省スペースながらクリエイター向けの高い映像処理性能を実現したことが特徴と言える。ディスプレイはPCで世界初というDisplayHDR 600対応、コントラスト比6000:1の4K解像度IPS液晶だ。CPUはTDP65Wまでの第9世代Intel Coreが選択でき、メモリは標準で16GB、オプションで32GBまでのDDR4、ストレージは1TB SSD、GPUはNVIDIA GeForce RTX 2080まで搭載可としている。

北米市場で即日発売し、価格は1,599.99ドルから。構成例として米HPの直販サイトではCore i7-9700と16GB DDR4、GeForce RTX 2060 6GBを搭載したモデルが2,299.99ドルで購入可能だった。

  • DisplayHDR 600対応の「HP ENVY 32 All-in-One」

  • 本体は薄くスタイリッシュ

  • 裏側もすっきり

  • GeForce RTXを積める反面なのか、電源アダプタは結構でかい

ほか「HP Elite Dragonfly」は、日本では昨年11月に発売した13型コンバーチブルPCで、重量1kgを切る999gの薄型軽量ボディが話題となったが、さらにCPUを第10世代Intel Coreに強化し、新たにQualcommの5Gモデムも追加するなどして、北米でもデビューする。この北米版では、紛失防止のスマートトラッカー「Tile」の機能を本体内蔵で統合できることもユニークで、もしもの時にTileのサービスを使ってスマホからPCを探すといった使い方ができる。まずはTile内蔵モデルを2月に、5G内蔵モデルはもう少し遅れて発売するそうだ。

  • Elite Dragonflyが、5G対応やTile内蔵など、かなりうらやましいアップデートが実施されたうえで北米市場に上陸する

  • 投棄されたプラスチックによる海洋汚染など、昨今の環境問題に対する取り組みだとして、ペットボトルをリサイクルして作ったPCバッグなどの製品展開も始めていた