CES 2020の開幕を翌日に控えた米ラスベガスで1月6日(現地時間)、AMDが第3世代Ryzen Threadripperの最上位モデル「Ryzen Threadripper 3990X」を発表した。1CPUとしては破格の64コア/128スレッドを実現した怪物CPUだ。価格は3,990ドルで、2月7日に発売する。発表に際し、AMDのLisa Su(リサ・スー) CEOは、20,000ドルのXeonよりも30%高速という飛び抜けた性能をアピールしている。
5K~8Kコンテンツのリアルタイム編集も視野に入れた第3世代Ryzen Threadripperの最上位モデル。デスクトップCPUでここまでのマルチコア/スレッド数を実現した製品はほかに見当たらず、同社のサーバ向けCPU「EPYC」に匹敵する規模となった。これまでの最上位モデルは昨年末に投入されたRyzen Threadripper 3970Xで、32コア/64スレッドという構成だったので、コア/スレッド数が一気に倍増したことになる。対応プラットフォームは引き続きTRX40だ。
現時点で公開されているRyzen Threadripper 3990Xの主な仕様をまとめると、64コア/128スレッドで、動作周波数は2.9GHz、ターボ時最大4.3GHz、キャッシュ容量は合計で288MB。
パフォーマンス面の目安として、同社の公称でのCinebench R20 nTスコアは「25399」。同Ryzen Threadripper 3970Xでは「16834」、Ryzen 3950Xでは「8862」、Core i9-9900KSでは「5214」としており、非常にハイスコア。またV-RAYレンダリングの速度でXeon Platinum 8280(28コア/56スレッド)のデュアル構成(合計56コア/112スレッド、価格20,000ドル相当)が1時間30分かかる処理を、約30%高速な1時間3分で実行できるとしている。