2020年の年頭にあたり、レッドハットの代表取締役社長の望月弘一氏は、2020年の年頭所感として、以下を発表した。

オープンテクノロジーとオープンカルチャーを推進し、お客様のビジネス変革に貢献

新年明けましておめでとうございます。

旧年中は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

昨今では、幅広い業界においてデジタル技術により企業の既存ビジネスの枠組みを変え、新たな価値を創 造するデジタル・トランスフォーメーションへの取り組みが進められています。既存の産業の枠組みを越えて 事業を拡大する企業も増えており、迅速かつ適切に変革を推進することが成功への鍵になりつつあります。

昨年はこうした環境の中、弊社は、オープンで柔軟なインフラ環境を構築するオープン・ハイブリッドクラウド を実現するテクノロジーの導入支援に注力してまいりました。

通信業界においては、第5世代移動通信システム(5G)時代を見据えた次世代ネットワーク基盤への Red Hat OpenStack Platform、Red Hat Enterprise Linux をはじめとした関連製品群の導入が、そして、金融、サ ービス産業をはじめとする幅広い業界においてハイブリッドクラウドの基盤となりクラウドネイティブなアプリ ケーションの開発を可能にする、業界でもっとも包括的なエンタープライズ Kubernetes プラットフォーム Red Hat OpenShift の導入が進みました。また、パートナー企業の OpenShift マネージドサービスを支援するプロ グラムも開始し、今後のビジネス拡大の布石となる協業を推進することができました。システム運用の領域 では、部門単位、業務単位に閉じたIT自動化の仕組みをサービス化し、全社横断的な仕組みの実現をRed Hat Ansible Automation で推進してまいりました。

加えて、Red Hat Open Innovation Labs の多様な業種への展開により、デジタル・トランスフォーメーションを 実現するためのお客様企業文化の変革支援活動も、その規模を大幅に拡大しました。昨年 7 月には、IBM による買収が完了し、レッドハットの独立性・中立性を維持しながらも、更なる市場カバレッジの拡大に向け た協業が加速するなど、ビジネスにおいて激動かつ、素晴らしい一年となりました。

2020 年は、東京においてオリンピック・パラリンピックの開催の年となります。これに際して誕生する新たな ビジネスやサービスへのテクノロジー面からの支援に注力すると同時に、経済産業省が発行する『DX レポ ート~IT システム「2025 年の崖」の克服と DX の本格的な展開~』内で提唱される課題克服を実現すべく、 下記の 3 領域を中心としてお客様のデジタル・トランスフォーメーションのさらなる推進に貢献してまいります。

キーテクノロジーの更なる浸透でオープン・ハイブリッドクラウドのデファクトを目指す

Red Hat Enterprise Linux、Red Hat OpenShift を基盤に、ビジネス環境のダイナミックな変化に柔軟かつスピ ーディーに対応できるクラウドネイティブな IT インフラである、オープン・ハイブリッドクラウドの構築 を支援します。これにより、企業の技術的負債を解消するITモダナイゼーション実現を推進してまい ります。

デジタル・トランスフォーメーションを推進する人材育成を支援

レッドハットのコンサルタントが戦略 的アドバイザーとして企業が抱える課題に対して包括的なソリューションの提供で課題克服を支援 します。DevOps やアジャイル開発を習得するためのメソットである、Red Hat Open Innovation Labs の提供に加え、コンテナ技術の採用、IT 自動化の実現、インフラマイグレーションやアプリケーショ ンモダナイゼーションなど、企業が抱える課題に対して具体的に解決するためのプログラムを展開 してまいります。また、多くの業界でオープンソースやクラウドに関するスキルが求められる中、新た なスキルや製品知識を取得できる豊富なトレーニングコースの提供で、IT 人材育成を支援します。

パートナー企業とのオープン・ハイブリッドクラウド実現に向けた協業を強化

レッドハットが提供す るソリューションポートフォリオは、サーバーOS からミドルウェア、クラウド基盤、Kubernetes プラット フォームへと拡大しています。より幅広い業界、業種のお客様にレッドハットが提供する各種オープ ンソース・ソリューションの価値をお届けするためには、パートナー企業との協業は不可欠です。特 に今年は、パートナー企業の OpenShift マネージドサービス提供の更なる拡大を支援し、より多くの お客様に Red Hat OpenShift をご利用いただけるの選択肢を提供してまいります。また、クラウドネ イティブ・アプリケーションの推進を加速するための ISV(独立系ソフトウェア・ベンダー)エコシステム の拡充や、お客様のデジタル・トランスフォーメーション推進を目的としたサービスビジネスの協業強 化を推進します。

ビジネス変革を実現するためには、オープンなテクノロジーの活用だけでなく、企業/組織文化を変革しオー プンカルチャーを推進することも重要な要素となります。レッドハットは引き続き、オープンソースウェイを訴 求するとともに、お客様、開発者、パートナー企業の懸け橋となり、オープンソース活用を推進して参ります。

本年も引き続きご指導、ご鞭撻を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。