バトルプランナーに必要な気持ちの強さ

――この仕事の難しさや苦労する点を教えてください。

武富:eスポーツ大会では、どんなに入念に事前準備をしていても、ゲームクライアントやデバイス、ネットワークなど、会場のさまざまな環境が影響し合うことで、まったく想定していなかったトラブルが本番に起こることが多々あります。

そんななかで、臨機応変な対応を求められたり、重要な判断を迫られたりすることもあって、精神的に大きなプレッシャーを感じる場面もあります。自分はどちらかというとポジティブに考えられる人間なので、メンタルが強くてよかったなと思いますね(笑)。

――eスポーツ大会は性質上、どうしてもトラブルが起こりやすい側面がありますね。

武富:なので、体力とメンタルの強さが必要な仕事だと思います。本番の前日などに、会場でリハーサルを実施するのですが、エラーが起きると何度も検証します。そうした作業を問題が解消できるまで繰り返すので、作業が深夜まで続くことも少なくありません。

しかも、それだけ準備したとしても、大会本番で上手くいかないことはたくさんあります。そもそも、検証の段階で本番とまったく同じ環境を作るのはほぼ不可能。特に観客が何千人と入るような大きな会場では、お客さんの持っているスマホがネットワークに影響することもあります。

実際にあった例では、コンシューマーゲームの大会で、コントローラーのBluetoothがお客さんのイヤホンなどと混線してしまい、操作が効かなくなることがあったそうです。ケーブルでつなごうとしても、選手のプレイするステージまで届かないという状況だったようで……。

そんなことが起きても、大会や配信はリアルタイムに進行しているわけですから、なんとか対応しなければなりません。気持ちを強く持てないと、できない仕事だと思いますね。

――それでは最後に、この仕事のおもしろいと思う部分や、やりがいを感じる瞬間について教えてください。

武富:僕はゲームも人も好きなので、大会運営においてコミュニケーションでつないでいく役割を担っているところはおもしろいと思います。

やりがいを感じる場面というと、例えば去年の「PJS Winter Invitational 2018(PWI)」で、最後に日本チームの選手が韓国チームの選手を倒して総合1位になるシーンがありました。その瞬間、会場ではものすごい歓声が上がって、約500人のお客さんが1つになって盛り上がっていたんです。なかには、涙を流しているファンもいて。その光景を見たとき、自分たちがやっていることは間違っていなかったんだなと感じました。

今年では、高校生eスポーツ大会の「STAGE:0」の現場にも入らせていただきました。そこで、試合後に顧問の先生が「よくがんばったな」と生徒たちに声をかけているのを見たんです。

僕は今29歳。学生のころには「ゲームばかりやっていないで勉強しなさい」と言われてきた世代です。ゲームをやることが認められて、それを応援してくれる人がいるという環境ができつつあるんだと思うと、やりがいにつながっているなと感じますね。

――武富さん、本日はありがとうございました!

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