博報堂DYホールディングス、博報堂、博報堂DYメディアパートナーズの3社は12月9日、従業員の健康診断結果とヘルスデータを可視化し、健康増進を目指す「健診戦(けんしんせん)」の実証実験の結果を公開した。
「健診戦」は、健康経営支援プログラム開発に向けた社内実証実験として2019年8月にスタートした取り組み。定期健康診断データを取得して前年度と今年の健康数値を比べ、その改善度を点数化・表彰化することで健康改善のモチベーションと健康診断結果の向上をサポートする施策だという。
健診戦には1,509名が参加し、参加者の健康維持・改善者率は78.9%(不参加者 75.1%と比較し3.8ポイント高)という結果になったほか、健康改善者率については55.5%(不参加者 51.3%と比べて4.2ポイント高)で、合わせて実施した意識調査による参加者の健康意識向上率は65.9%(不参加者 42.5%と比較し 23.4 ポイント高)となった。
このことから、健康に対する意識向上を図ることができたほか、健康維持・改善者率、健康改善者率、健康意識向上率いずれも、不参加者と比べ参加者に有意な差がみられたという。
今後はヘルスデータの統合を行い多角的な分析を行い、健康施策の費用対効果を算出して施策の改善に活用したり、社員の健康状態に応じてデータに基づく健康改善アドバイスを提供するなど適切なPDCAが実施できるようなデータ分析を想定しているという。
なお、この実証実験の実施と結果分析を監修した、東京大学大学院医学系研究科の近藤尚己准教授は、次のようにコメントしている。「大半の社員が義務的なものとして行っている健診をエンタメ化することで、ゲーム感覚で 健康づくりにコミットしてもらい、それに一定の効果がある可能性が今回の分析で示され ました。エントリー者と非エントリー者の差は当初の予想以上で驚きました。一方、健診戦 にエントリーした人はもともと健康意識が高い可能性等も考えられるため、今後厳密な分 析が必要です。また、具体的な分析を進めることで、今後サービス展開に向けてより多くの 人に関心を持ってもらい、また高い効果が出るような施策に期待しています」