Qualcomm Technologiesは12月5日 (米国時間)、「Snapdragon 8c」と「Snapdragon 7c」を発表した。どちらもモバイル通信ネットワークに常時接続できる薄型・軽量のファンレスPC向けプラットフォーム。8cはSnapdragon 850が担っているメインストリーム向け、7cは新たにエントリー帯を開拓する製品になる。昨年12月に発表した上位のSnapdragon 8cxシリーズと共にQualcommのAlways Connected PC (ACPC)向けポートフォリオを形成する。
Snapdragon 8cは、CPUが7nmプロセスのKryo 490 (オクタコア、最大2.45GHz)、GPUはAdreno 675。メモリーはLPDDR4x (4チャネル、最大2133MHz)。Snapdragon 850から全体のパフォーマンスが30%向上。最大で4K Ultra HDのオンデバイスディスプレイを搭載可能、2つの4Kディスプレイの接続をサポートする。Hexagon 690による第4世代のAIエンジンを備え、AI関連の処理能力はおよそ6TOPS。カテゴリー20に対応するX24 LTEモデムを搭載し、下り最大2Gbpsでの通信が可能。またX55 5Gモデムもサポートする。充電はQuick Charge 4+に対応する。
Snapdragon 7cは、CPUが8nmプロセスのKryo 468 (オクタコア、最大2.4GHz)、GPUがAdreno 618、そしてX15 LTEモデムという構成。メモリーはLPDDR4 (最大2133MHz)。Qualcommによると、エントリー価格帯で競合する従来のPCプラットフォームに対して、Snapdragon 7cはバッテリー駆動時間が最大2倍になる効率性でおよそ25%のシステムパフォーマンスの向上を実現する。Hexagon 692による第4世代のAIエンジンの処理性能は5TOPSを超え、「これまでになかった使用体験をエントリー価格帯のPCにもたらす」としている。
2020年のPC市場においてARMベースのWindows PCは注目点の1つだ。Qualcomm TechnologiesのAlex Katouzian氏は「モバイルファーストの消費者の方々はスマートフォンと同等の体験を求めており、当社にはあらゆる価格帯でその体験を可能にするイノベーション、開発力、テクノロジがあります」と述べる。