米Microsoftは11月4日 (現地時間)、Chromiumを採用した新しい「Microsoft Edge」のリリース候補版 (Microsoft Edge Betaバージョン79)の提供を開始、2020年1月15日の正式版リリースを目標に最終的な開発作業を進める計画を明らかにした。

正式版はWindows版 (7/8/10)とmacOS版を用意、90言語以上をサポートする。新Edgeブラウザでロゴも刷新する。Internet Explorer、現在のEdgeに続いて「e」の文字を使うが、立体的で「波」を思わせるデザインを採用した。これは同社が計画する"イノベーションの波"に乗るイメージを伝えるデザインだという。

  • 新Microsoft Edgeのロゴ

    Chromiumベースの新Microsoft Edgeのロゴ、Internet ExplorerからEdgeの時よりも大胆に変更

新Edgeの開発版は「Canary」「Developer」「Beta」といった開発チャンネルで提供される。

  • Canary:初期開発版
  • Developer:ベータ版よりも不安定だが、Web開発者によるテストやプロトタイプに耐えられるビルド
  • Beta:次期安定版 (正式版)の初期プレビュー

Chromiumは、GoogleがChromeブラウザに用いているブラウザ技術をオープンソースで公開しているプロジェクト。Chromiumをベースに、Brave、Opera、Vevaldi、Yandexなど数多くのブラウザが作られている。MicrosoftはChromiumベースのEdgeブラウザの開発を発表した際に、Chromiumを採用する理由として「互換性の向上」と、ブラウザ技術の分裂を減らすことによる「Web開発者の負担軽減」を挙げていた。

  • Webコンテンツのメモ機能「Collections」

    Webページの情報を収集、サイドバーから簡単にアクセスできる「Collections」、旅行やショッピングのための調べ物などに便利

新Edgeはクラウドを通じてWindows版、macOS版、モバイルアプリとの間で履歴やお気に入り、設定、パスワードなどの同期が可能。Webコンテンツのメモ機能「Collections」、トラッキング防止機能、Internet Exoplorerを必要とするコンテンツをサポートするIEモードなどを備える。クラウドでGoogleやAmazonと競合するMicrosoftは、Web開発者の負担を軽減させる新Edgeと新しいBingで、ビジネス市場における存在感の強化を狙う。新Edgeは「Microsoft Search in Bing (Bing for Business)」と連動、例えばアドレスバーに自然言語クエリを入力して社員を検索できるなど、互換性に優れたブラウザである一方で、ビジネス顧客向けのサービスで独自の強みを発揮する。

  • エンタープライズ用タブ

    Microsoft Search in Bingと連動、Microsoft 365のファイルやサイト、イントラネットの検索を提供するエンタープライズ用タブ