KDDI総合研究所は10月7日、任意の範囲の音場をリアルタイムに合成し、22.2ch音響などのマルチチャンネルサラウンドで体感可能な「音のVR」を開発したと発表した。これにより、360度VRコンテンツの見たい・聴きたい部分に自由自在にフォーカスできる音と映像が合致した空間的なインタラクティブ視聴が可能になるという。

  • 円筒スクリーンと22.2ch音響を組み合わせたデモブースのイメージ

    円筒スクリーンと22.2ch音響を組み合わせたデモブースのイメージ

VRなどでのインタラクティブ視聴は、任意のアングルや位置から実際のシーンを音と映像で体験できるため、通信や放送、エンターテインメントなど幅広い用途が見込まれおり、同社の音のVRは360度VRコンテンツの視聴したい任意の範囲を選択的に視聴できるユーザーカスタマイズ型インタラクティブ視聴技術。

すでに、複数のマイクロホンを空間的に配置したマイクロホンアレイを用いて、空間的に自然な広がりと定位を持つ、任意の範囲の音場をリアルタイムに合成できる音のVRを実現しているが、これまではスマートフォンやタブレットのタッチパネル上での操作を中心としており、再生は2チャンネルステレオに限られていたため、リッチな再生環境への対応が課題だったという。

今回、新たに22.2ch音響などのマルチチャンネルサラウンドで楽しめる音のVRを開発。これにより、5.1chや22.2ch音響などのマルチチャンネルサラウンドの再生環境において、視聴者の操作や動作に応じて、空間的に自然な広がり持つ任意の範囲の音場を選択的に合成することができるため、音響空間に没入し、音響の変化を体で感じる新体験を実感することができるとしている。

KDDI総合研究所はスポーツやイベントなど、さまざまな環境での評価を進め音のVRの活用を図るとともに、au 5Gの特性を生かした新たな体験とインタラクションの創出を目指し、xR技術の研究開発に取り組む考えだ。