米Microsoftは9月30日 (現地時間)、クラウドストレージ「OneDrive」の新機能「パーソナルVault」の提供を日本を含む全ての国に拡大した。パーソナルVaultは、2段階認証でセキュリティを強化した領域であり、重要な書類、機密性の高いファイルや写真などをより安全に保管できる。今年6月に、オーストラリア、ニュージーランド、カナダに限定した提供でOneDriveに追加された。
パーソナルVaultを利用できるのは、Web版 (onedrive.com)、Windows 10 PC、モバイルアプリ版 (iOS、Android)。Windows 10 PCでローカルストレージにファイルを同期する場合、BitLockerで暗号化した領域にファイルを同期する。MacのOneDriveアプリでは同機能を利用できないので、MacではWeb版を用いてパーソナルVaultにアクセスする。サービスプランによって制限があり、Office 365 PersonalまたはOffice 365 HomeサブスクリプションではOneDriveのストレージ容量上限まで自由にファイルを追加できるが、OneDriveの無料プランやOneDrive 100GBプランではパーソナルVaultに追加できるファイル数が最大3つになる。
利用できるようになると金庫のアイコンのパーソナルVaultフォルダがOneDrive内に表示される。パーソナルVaultをアンロックする2段階認証には、「Microsoft Authenticator」アプリ、SMSまたはメール (認証コード送信)、顔認証/指紋認証 (モバイルアプリ)などを使用できる。操作が行われないまま20分が経過するとパーソナルVaultは自動的にロックされ (モバイルアプリ版は3分)、再びファイルにアクセスするにはアンロックする必要がある。
どこからでもすぐにアクセスできるクラウドストレージの利便性を損なわず、大切なファイルを安全に保管できるのがパーソナルVaultの特徴だ。ただし、パーソナルVault内のファイルは共有できないので、ファイル共有のためにはファイルをパーソナルVaultから移動させなければならない。また、パーソナルVaultから削除したファイルはロック状態ではゴミ箱に表示されず、Windows 10 PCでは完全に削除される。また、パーソナルVaultを無効にすると、その時点でパーソナルVault内にあったファイルが完全削除されるなど、使いやすいがゆえの注意点がある。