SAS Institute Japanは9月19日、AI(人工知能)実用化のための「アナリティクス・ライフサイクル実践トレーニング」を提供開始したと発表した。新トレーニングは、AI活用が研究開発やPoC段階に留まり、ビジネスへの適用が進んでいない企業に向けた実践的なものとのこと。デジタルトランスフォーメーション(DX)のためのAI実用化を促進するため、その要である「アナリティクス・ライフサイクル」を体系的に体験しながら学ぶことが可能としている。

アナリティクス・ライフサイクルとは、分析のためのデータの準備からモデル生成、モデルの業務実装に至るまでの、ビジネスにおいて運用・維持可能な一連のプロセスを指す。

今回、「SAS Viya」を使用して同ライフサイクルの全てのプロセスをカバーすることで、従来の統計教育やデータサイエンティスト育成プログラムでは実現が困難だったという、現場で即戦力となるデータサイエンティストの育成に向けたトレーニングを提供する。

さらに、IoTデータの活用も視野に入れ、実際のビジネスの現場におけるリアルタイムのエッジ・アナリティクスを題材としているという。

製造設備を模したIoT機器からセンサーを通じてリアルタイムにデータを取得し、異常を予兆するモデルを開発、そのモデルをデータ発生源に近いエッジ領域に実装してリアルタイムにスコアリングをすることで、異常予兆を検知する現実のアナリティクス現場に限りなく近い状況を再現しているという。

受講者は、PythonやSAS言語といったプログラミング環境またはマウスによるポイント・アンド・クリックの操作インタフェースなど、受講者のスキルや好みに応じた方法で受講可能という。

同トレーニングの実習テーマとして同社は、「アナリティクス・ライフサイクル」とは?、アナリティクス・ライフサイクルの実践「データ連携」、アナリティクス・ライフサイクルの実践「モデル開発」、アナリティクス・ライフサイクルの実践「モデル実装」の4点を挙げる。

利用を期待できる例として、データサイエンス学部などを有する大学など高等教育機関での実践的なデータサイエンス教材、企業におけるデータサイエンス教育への組み込み、AIとIoTを組み合わせることで価値を創出するAIoT(Artificial Intelligence of Things)をDXの原動力としたい企業・組織を挙げている。