三菱商事は4日、フィンランドMaaS Global社の第三者割当増資を引き受け、同社に資本参画したことを発表した。

ITやクラウドを活用することでシームレスな移動を実現するMaaS(Mobility as a Service)。フィンランドの2015年設立のスタートアップ企業MaaS Global社は、スマホアプリ「Whim」(ウィム)で逸早くこれを実践し、自転車にタクシーやバス、ライドシェアやレンタカーに電車などの公共交通まで、ワンアプリで予約から決済を実現。スマホをかざすだけで目的地まで乗り継げるサービスは首都ヘルシンキでの運用を2017年に開始、ベルギー、英国とサービスを拡大。2017年にはあいおいニッセイ同和損害保険、トヨタファイナンシャルサービス、2019年には三井不動産が出資、都内での実証実験展開も発表している。

三菱商事は、アプリケーション開発の技術力に加え、「Whim」を月額定額制で提供するなど企画力を同社の強みと評価。今年4月の組織再編でヒトやモノの移動課題を解決する自動車・モビリティグループを組成しており、今回の資本参画を契機に、MaaS Globalの事業をアジアを始めとする各国や地域への横展開を図る。海外ネットワークが豊富な同社は、不動産や小売、旅行など移動の発着点となる関連事業者と連携することで移動サービスを超えた"Beyond MaaS事業"に取り組むことを述べている。