コーヒー好きが高じて喫茶店のオーナーになり、本まで出した家電流通コンサルタントの得平司氏が、コーヒーメーカーの正しい選び方を紹介します。美味しいコーヒーを飲むためには努力を惜しまない人だけに、気になる製品を1つずつ実際に購入し、歯に衣着せずに評価していきますよ! 第1回はタイガー魔法瓶の「ADC-A060」を取り上げつつ、コーヒーメーカーを選ぶときに見るべきポイントも考えていきます。

  • 全部自腹で買ってレビューします。本当です

コーヒー粉から淹れられる手軽なコーヒーメーカー

今回、ADC-A060を選んだ理由は、ズバリ、求めやすい価格とミルを使わずコーヒー粉から淹れられる手軽さです。美味しいコーヒーを飲みたいなら、高価格な製品じゃなきゃダメなんじゃないかって思いがちですが、実はそんなことないんです!

  • ADC-A060と得平氏。高級感のあるデザインではありませんが、その分、毎日気軽に利用できそうです。片手で片付けられるサイズ感もいいですね

  • 得平司(とくひらつかさ)
    フワッティ・カフェ代表。2015年、東京・千駄木団子坂下にフワッティ・カフェをオープンする。世界から集めた10種類程度のコーヒー豆を自家焙煎し、注文を受けてから1杯1杯コーヒー豆を挽き、ハンドドリップで提供している。本業は家電流通コンサルタントであり、株式会社クロスの代表。コーヒー文化推進のため、本連載ではコーヒーメーカーを1台ずつレビューして、そのマシンで美味しく淹れるコツや、自分に合った製品の選び方を分析。

ADC-A060のスペック

  • 発売日:2018年11月
  • ミル:非搭載
  • フィルター:ペーパーフィルター
  • 満水容量:0.81L
  • 一度に淹れられるカップ数:1~6カップ
  • 本体サイズ:W154×D272×H301mm
  • 重さ:約1.9kg
  • 本体カラー:サックスブルー、ダークブラウン
  • 6月6日に購入したときの実売価格は税別5,280円(税込5,702円)。次回以降の買い物で使えるポイントを581Pゲット!(1P=1円)

美味しいコーヒーを飲む条件

得平:美味しいコーヒーを飲むためには、次の3つの条件があります。

(1)焙煎したての自分好みのコーヒー豆を用意する(購入する)
(2)コーヒーを淹れる直前に豆を挽く
(3)手順に従ってコーヒーを淹れる

このうち、コーヒーメーカーが関与できるのは(3)のみ。ミル付きの製品でも(2)と(3)のみです。どんなに高級なコーヒーメーカーを用意しても、(1)と(2)ができていなければ美味しいコーヒーにはなりません。逆に低価格のコーヒーメーカーでも、上記の3条件に沿って手順を踏んで淹れれば、美味しいコーヒーが飲めるのです。

そこで(1)と(2)をしっかり準備して、ADC-A060を使って正しい手順でコーヒーを淹れ、美味しいコーヒーが飲めるのかを試します。

  • 実験風景。テーブルの上の針状のものは温度計です