ウイングアーク1stは6月5日、産業機械のデータ活用に特化した集計・分析プラットフォームである「Dr.Sum」の新モデルとして、「Eモデル」を発売した。価格は230万円(1サーバ、初年度の保守費込、税別)から。

新モデルは、産業機械からの100ミリ秒単位のセンサーデータをリアルタイムに加工・処理し、大量データを高速集計することに特化している。センサーデータを事前に処理することで、データの可視化・分析などがしやすくなるとしている。

  • Dr.Sum Eモデルの機能イメージ

同モデルの特徴として同社は、リアルタイムデータの加工・処理及び、インメモリエンジンでの大量データの高速集計の2点を挙げる。

リアルタイムデータの加工・処理に関しては、機械や設備からの100ミリ秒単位のセンサーデータを加工・処理するDr.Sum Data Funnelが、時刻の正規化、時間のズレの補正、異常値の除去やデータ欠落の補完を行い、Dr.Sumのインメモリエンジンで大量データを蓄積・高速集計する。これにより、100ミリ秒単位のデータの可視化が可能になる。

時刻正規化については、時間の粒度が細かいデータを、任意の分析がしやすい単位に丸められる。データの除外・補完に関しては、異常値などの範囲外データの除外や、欠落などに伴う不足データを補完できるという。

対応プロトコルはHTTP-GET/POST、MQTT、OPC UAであり、各社の産業用ゲートウェイからノンプログラミングでデータ取得が可能としている。

インメモリエンジンでの大量データの高速集計に関しては、まず、独自開発のテクノロジーで高速集計をチューニングレスで実現。大容量データでも高速に応答することで、可視化や分析のレスポンスが向上するという。

マネジメントツールはグラフィカルなユーザーインタフェースであり、容易かつ直感的に操作できる点。データの管理、ユーザー、グループなどのアクセス管理を一元化し、作業効率を向上させるとしている。

セキュリティへの対応としては、ユーザーやグループを用いたログイン認証により、Dr.Sum内に格納したデータへのアクセスを制限できる。指定したIPアドレスからのみのアクセスを可能にするIPフィルタリング機能で、不特定多数からのアクセスを防ぐことも可能。 同モデルの利用例としては、生産レポートの生成、不良要因分析、設備の予知保全用データ分析の3点を挙げている。