NoctuaはCOMPUTEXにおいて、ファンレスCPUクーラーのプロトタイプを展示していた。1.5mm厚のアルミ製フィンを12枚並べ、ヒートパイプは6本使用する構造。冷却性能は、ファンレス時に120Wで、ファンを追加すると180Wまで強化できるという。
Noctuaの冷却ファンは、高性能でなおかつ静かなことで、日本にも愛好者は多い。そのNoctuaから、ファンの無いクーラーというのはやや意外な感じもするが、静音性を極めるとファンレスに行き着くということだろうか。
デモ機では、8コアのCore i9-9900Kが動作。ケースファンすらないというエアフロー的には最悪な環境ながら、CPU温度を100度以下に抑えることができていた。さすがにちょっと熱いのは仕方ないが、ケースファンの1つでも追加すれば、問題ないレベルまで下がるのではないだろうか。
製品化は「来年」の予定。ただし、「われわれの新製品はいつも"来年"の発売予定だが、ときどき本当に来年に出ることもある」(ブース担当者)というのがNoctuaなので、気になる人は気長に待とう。
そういえば、以前同社ブースで展示があったアクティブノイズキャンセル(ANC)技術を採用したCPUクーラーを覚えている人はいるだろうか。2015年の展示を最後に、それから全くアップデートが無いので担当者に確認したところ、引き続き開発は行っているとのこと。続報を待っていた人もいるかもしれないが、また来年まで待って欲しい。
ところで、自作PC業界の現状は光モノのパーツが全盛。最近ではFractal Designまで製品を出すほど、RGB LEDを搭載するファンが増えてきているが、担当者に方針を聞いてみたところ、「NO!」と即答された(笑)。今後も、派手さを追求する他社とは一線を画し、性能のみを追求していくようだ。Noctuaらしさは健在である。