ゲームだけでなくファンサービスも本気の野良連合

――野良連合はしっかりした選手が揃っている印象ですが、オーナーとして選手にはどのような教育をされていますか。

貴族:私の経験上の話ですが、タイトル問わずプロゲーマーは社会経験が乏しいことが多いので、必要であれば「社会人のあり方」を指導します。また、学生時代に部活などを経験していない人には、「チーム競技とは」をイチからたたき込むこともあります。

――プロになるとファンがつくわけですが、ファン対応についてはいかがでしょう。Twitterの発言や使い方についての指導などはあるのでしょうか。

貴族:野良連合は“ファンサービスが神”と言われることが多いんです。一応、選手にはしっかりファンサービスをするように伝えていて、選手はそれに応えてくれていますが、特に指導しなくても、ここにいる選手は問題ないでしょうね。

Papilia:Twitterについては、気をつけるようになりました。軽率な発言をしないように考えています。

ReyCyil選手(以下、ReyCyil):アマチュア時代とそんなに変化はないと思います。もともとSNSでは余計なことは言わないようにしていたので。ダイレクトメッセージをくださったファンには、全部返事をするようにしています。

貴族:ああ、選手たちはTwitterのリプライとかもちゃんと返信してますね。そこはすごいなって思っています。ただ、「選手はみんなリプライ返してくれるのに、なんで貴族さん返してくれないんですか」って、何度か言われたことありますね(笑)。ゲーム以外の仕事も忙しいので、Twitterで返信するのが難しいんですよ。

――先日、ファンミーティングを行ったようですが、そのような活動も頻繁に行っているのでしょうか。

貴族:ちょうど先日、ファンクラブ限定のファンミーティングを行いました。100名くらい集まったと思います。300人くらい来るときもありますので、先日のはこぢんまりとした感じですね。東京ゲームショウとかだと数千人来るので、「朝から夕方までサインしっぱなし」ということもあります。

――ファンミーティングではどんなことを行っているのでしょうか。

貴族:「叩いて被ってジャンケンポン」とかですね。

Merieux選手(以下、Merieux):一番いらないとこじゃないですか(笑)。まぁ、事実ですけど。質問コーナーがあったり、景品がもらえるジャンケン大会だったり、記念撮影だったり、サイン会とかだったりですね。

貴族:あとはファンに向けてグッズも作っています。野良連合のゲーミングデバイスがあってもいいかなと考えています。

また、今はアパレルにも力を入れていて、手前味噌ですが、パーカーはeスポーツチームが出しているもののなかでも飛び抜けてカッコイイと思います。

――世界で活躍するようになってから、ファンだけでなく、家族や友人の反応に変化はありましたか。

Merieux:もともと親がゲームをよくやっていたので、プロゲーマーになることについて反対されることはありませんでした。応援してくれています。海外で行われる世界大会だと、配信が早朝や深夜になるんですが、観てくれているようで、終わるとLINEとかで感想を伝えてくれたりしていますね。最初からあまり変わりません。

Reycyil:以前は働かずにゲームばかりしていたニートだったので、家族にはあまり良く思われていなかったと思います。でも、海外の大会に出場した際に、見直してくれたみたいで、そこから応援してくれるようになりました。

貴族:どんな感じで応援してくれるの? 「あの試合のプラントよかったよ」とか?

ReyCyil:うちの親、めちゃくちゃ詳しいじゃないですか(笑)。

Papilia:僕は、最初就活をしていて、内定もいただいたのですが、その道を選ばずにeスポーツの世界に入りました。それを後悔しないくらい、応援してもらっています。地元の人たちも喜んでくれていて、ちょっとした有名人って扱いになってるんです。僕がきっかけでゲームを始めてくれた人もいると聞きますね。

――選手のみなさんは、ゲーミングハウスに入居してよかったと感じていますか。

Merieux:僕は静岡出身で、地元の大学に実家から通っていたんです。野良連合に入って、このゲーミングハウスに入居することが決まったとき、大学を辞めました。活動も順調なので後悔していません。ゲーミングハウスに入れてよかったと思っています。

Papilia:僕は東京都出身なんですが、伊豆諸島なんですよ。高校進学の際に一人暮らしをはじめたので、個室があるうえに、家賃も光熱費も必要ない環境は本当にうれしいですね。住む前は「シェアハウスは嫌だな」って思っていたんですけど、今は快適に過ごせています。

ReyCyil:僕は山梨です。ゲーミングハウスに入居しなくても、オンラインで練習して、大会前だけ集まることもできますが、野良連合は海外遠征が多いので、それぞれが違う空港から現地に行くと何かと面倒なんですよね。ゲーミングハウスであれば、みんな一緒に行けるので安心です。

貴族:たしかに。ゲーミングハウスを使っていなかった頃は、「誰々は成田ね」「誰々は大阪ね」って感じで、みんなバラバラ。現地集合って感じでした。それがなくなったのは大きいですね。選手がフライトに遅れる心配もなくなりましたし。

――なるほど、本日はありがとうございました!