Amazon.co.jpの電子書籍リーダー「Kindle」の新しいエントリーモデルが10日、発売されました。これさえあれば令和最初のゴールデンウィークは楽しい読書三昧です。価格は電子書籍入門にも最適な8,980円(税込)から。注目のファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

  • Amazonの電子書籍リーダー、Kindleの最新入門モデル「Kindle」を使ってみました。ディスプレイのサイズは6インチで、片手持ちもラクラク。Kindleホーム画面は、端末、クラウドのライブラリが一覧表示にできるほか、所有する本のオススメコンテンツやKindleストアの新刊などが並びます

シリーズの入門機、「無印Kindle」がパワーアップした

Amazonの電子書籍リーダー、Kindleシリーズは現在3つのシリーズに分かれて展開されています。今回紹介する新製品は、最も安価な入門向けのKindleです。カラーバリエーションはブラックとホワイトの2色。本体価格はロック画面やライブラリの下部に広告が表示される「広告つき」のモデルが8,980円、「広告なし」のモデルが10,980円です(いずれも税込)。

  • 背面にはAmazonのシンボルロゴを配置しています

本体に内蔵する4GBのメモリーには、一般的なページ数の電子書籍ファイルが数千冊ぶん保存できます。オンラインのKindleストアから購入した書籍や雑誌をダウンロードしたり、本体ソフトウェアのアップデートを行う際にはKindleをインターネットに接続して使いますが、本機は接続方法がWi-Fi専用になります。

内蔵バッテリーは、消費電力の少ないフレキシブル電子ペーパーを使っていることも奏功して、1度のフル充電で数週間は駆動するスタミナを実現しています。フル充電にかかる時間は約4時間なので、バッテリーが減ってきた時には寝ている間に充電しておくと、また翌朝の通勤時間から気持ち良くKindleで読書が楽しめます。

4個のフロントライトで24段階の明るさ設定

電子ペーパーは液晶ディスプレイのようにバックライトが要らないため、搭載するデバイスを薄型化・計量化できますが、この反面、実は暗い場所で画面が見づらいという弱点もあります。例えば、飛行機で海外旅行する際に、機内の照明が消されてしまうと、機内照明を点けければ、画面が暗くて見えません。

この弱点を克服するために、シリーズの上位機であるKindle OasisとKindle Paperwhiteはフロントライトを載せていましたが、今回、入門機であるこの無印Kindleにも、初めてフロントライトが搭載されました。

今回の新Kindleには、本体のフレームに内蔵した4個のLEDの光を、ディスプレイのパネル全体へ均等に拡散させる導光版を配置。暗い場所でも電子書籍を読みやすくしています。

画面の明るさは、本体設定から24ステップで細かく切り替えられます。光の映り込みを抑える低反射率タイプのディスプレイなので、快晴の日の明るい昼間でも見やすい表示が得られることもKindleの大きな魅力だと感じました。

Kindle Paperwhiteとどちらを選ぼうか

筆者はふだんからKindle Paperwhite(2018年11月発売のWi-Fiモデル)も使っているので、参考までに新しい無印のKindleと比べて気がついたこともまとめておきましょう。

本体のサイズ感は、画面が同じ6インチであることからもほぼ変わりません。スペックを調べるとKindle Paperwhiteの方が7mmほど縦に長く、厚みは0.52mmほど薄いようです。重さはKindle Paperwhiteの方が10gほど軽いため、手に取ると少し差がわかります。

  • 右はKindle Paperwhite。Paperwhiteの方が、縦のサイズが少し長く、本体はPaperwhiteの方が若干スリムです

Kindle Paperwhiteはベゼル(ディスプレイまわりの額縁)とディスプレイとの間に高さのギャップがないフラットベゼルを採用しています。見た目のデザインは美しいのですが、ディスプレイの表面に付着した指紋が目立ちやすいことが気になっていました。新しいKindleは、ベゼルがざらっとしたマットなプラスチック素材なので、指紋は目立ちにくいと思います。ホワイトのモデルはなおさらでしょう。

  • Paperwhiteはフラットパネルのディスプレイを採用しています

  • Kindleはベゼルとディスプレイの境目に少し段差があります

  • Paperwhiteはディスプレイ側に指紋の付着が少し目立ちます。半日使い込むと写真のような感じです。右側がPaperwhite、左が新しいKindle。もちろんふくとすぐにキレイになります

操作感に大きな差はなし、ポイントは「防水性能」

電子ペーパーの画素密度は、Paperwhiteが300ppiに対してKindleが167ppiなので、文字の精彩感や写真の鮮明感に差が出ます。ただし、読みにくくてストレスを感じるほどではありません。画面の明るさは最大値にすると、Kindle Paperwhiteの方が表示が明るく、ホワイトが冴えている感じもしますが、Kindleとの差は大きくはありません。

  • 画面の明るさを最大「24」にして比べてみると、Paperwhite(右側)の方がわずかに明るく、画面の白色がパリッとする感触があります

パネルのタッチ操作は、両者のレスポンスに差がないと感じました。背面の仕上げは、Kindleがサラサラとしていて、Kindle Paperwhiteはちょっと摩擦があります。片手で持ったときの指のひっかかりは、Paperwhiteの方が筆者の好みに合いました。

そして両製品の最大の違いは「防水性能」。Kindle PaperwhiteはIPX8等級の防水対応としていますが、新しいKindleは防水非対応です。

筆者は早風呂なので、お風呂の中で電子書籍を読みたいとはあまり思いませんが、これから梅雨の季節なので、外に持ち出す際には気がかりかもしれません。また、狭い飛行機の中で本を読んでいるときに、飲み物をこぼして壊れてしまったなんてトラブルを避けたいなら、少し背伸びして防水仕様のKindleを選ぶべきかもしれません。

Amazonの書籍・雑誌“読み放題”サービスは使えるのか

Kindleシリーズで楽しめるコンテンツについてもおさらいしておきましょう。現在Amazon.co.jpで販売されている書籍の中にも電子版を併売するコンテンツが増えています。Kindleのストアで取り扱っている電子書籍・電子雑誌は、Kindleの端末から直接購入ができます。

  • Kindle Unlimitedストアのフロントページ。パネルのタッチ操作への反応は悪くはないのですが、サクサクと探せる感覚があまりないため、読みたい本の検索はPCとの併用がおすすめです

Kindle Unlimitedは月額980円の定額制“読み放題”サービスです。読み放題と聞くとワクワクしてきますが、筆者がKindle Unlimitedを試した実感としては、音楽配信のAmazon Music Unlimitedや動画配信のAmazon Prime Videoに比べて、コンテンツの厚みが現状ではやや足りないように思いました。和書は12万冊、洋書は120万冊のアーカイブがあるそうですが、特にマンガはもっと新しい話題作を増やして欲しいところです。

もう一つのAmazonの“読み放題”サービスであるPrime Readingは、Amazonの有料サービス・プライム会員なら追加料金なしで、Kindle Unlimitedのタイトルの中から和書・洋書を合わせて数百冊が無料で楽しめます。Prime Readingのコンテンツも、Kindle端末に読みたい本をダウンロードしオフライン読書ができるので、取りあえずKindle Unlimitedに登録する前に試してみるのもよいかもしれません。Kindle Unlimitedも、30日間の無料体験ができます。

Kindleは読み放題アーカイブの検索機能がやや弱く、読みたい本を特に決めずに何となくKindle Unlimitedの対応書籍をふらふら探すことが難しい端末だと思います。だから筆者の場合はまずPCブラウザのKindleストアで面白そうな本を探して、「Kindle版」の表記があればKindleで名前検索をしてから端末にダウンロードしています。

  • 文字の表示。1~14の拡大ステップから「8」ぐらいに設定してみたところ。Paperwhiteよりも画素密度が低いとは言え、文字が読みにくく感じることはありませんでした

  • 明るい晴天の屋外でも見やすい表示。真っ暗な場所でも電子書籍が読めます

新Kindleは初めての電子書籍に最適

Kindleを使っていると、文字を拡大したり、ページをいっきに飛ばせる高速スクロールやハイライト、辞書機能など、デジタルデバイスならではの快適な読書体験の醍醐味が実感できます。

もちろん書籍にも装丁の美しさ、紙の温もりのある質感や読みたい所がすぐに探せる便利さなど、よいところが沢山あります。なるべく荷物を軽くしつつ、沢山の書籍を携えて出かけたい海外旅行の時にはKindleを出動させるなど、生活シーンに合わせた使い分けを賢く楽しみたいものです。

わずか1万円のデバイスで電子書籍入門ができる、新しいKindleはとても魅力的な電子書籍リーダーであると感じました。