電通デジタルは、複数の気象情報とTwitterのツイート情報を常時観測することでタイムリーなデジタル広告を配信するシステム「Multi Impact Switcher(マルチインパクトスイッチャー)」を開発、28日より提供を開始した。

  • 「Multi Impact Switcher」ロゴマーク(同社資料より)

    「Multi Impact Switcher」ロゴマーク(同社資料より)

インターネットでは、仮に1円でも単価があれば、100億近い人々にリーチできる可能性を秘める。需要と供給が頻繁にマッチし、購買にお金が動く世界。もちろん、スムーズに動くには、国毎の違いや各種法整備、決済システムの進化など課題も多そうだが、そんな可能性を持っている。"購買"活動を支えるインターネット広告の世界ではタイムリーなモーメントも重要になっている。

タイムリーな話題がリアルタイムに飛び交うインターネットで膨大な文字列から意味のある情報を取り出し、最適な広告を配信することは難しい。デジタル広告の出稿でもユーザーのデモグラフィック、興味関心などプラットフォーム内でのビッグデータ配信は行われていたがプラットフォーム外の情報については、人力で長期的な予測や仮説を立てることに限界があったことを同社は述べている。

電通デジタルが提供する「Multi Impact Switcher」は、複数の気象情報(天気、降水量、降水確率、温度、体感温度、湿度、気圧、風速、風向き、UV指数、曜日、期間、時間)とTwitter情報の掛け合わせでタイムリーにTwitterやFacebook、Instagramなどの主要SNSへ広告配信を行えるシステム。

"設定した気温を下回ったエリアへの広告出稿(気温×エリアターゲティング)"や"商品に関連したキーワードがTwitter上で一定数以上に達したタイミングでの広告出稿(急上昇キーワードターゲティング)"といった広告配信が設計でき、需要増大には予算範囲で自動制御することもできる。

  • 「Multi Impact Switcher」の配信制御概念図

    「Multi Impact Switcher」の配信制御概念図

今後は、電通独自のプラットフォーム「STADIA(スタジア)」、AI広告コピー生成システム「Direct AICO(ダイレクト・アイコ)」、AI自動バナー広告生成ツール「ADVANCED CREATIVE MAKER(アドバンストクリエーティブメーカー)」などと連携を進め、データの拡充や自動生成化を実施していく予定。