オリンパスは2月25日、大腸の超拡大内視鏡画像をAI(人工知能)で解析し、医師の診断を補助する内視鏡画像診断支援ソフトウェア「EndoBRAIN(エンドブレイン)」を3月8日から国内で発売すると発表した。新ソフトウェアは内視鏡分野において国内で初めて薬事承認を取得したAI製品だという。
新ソフトウェアは、昭和大学横浜市北部病院、名古屋大学大学院、サイバネットシステム株式会社により、AMED(日本医療研究開発機構)支援のもと研究開発され、臨床性能試験を経て、サイバネットシステムが2018年12月6日に医薬品医療機器等法の製造販売承認を取得し、オリンパスが同社から国内における独占販売権を取得した。
オリンパス製の超拡大内視鏡「Endocyto」で撮影された大腸の超拡大内視鏡画像をAIが解析し、検査中にリアルタイムで腫瘍性ポリープまたは非腫瘍性ポリープの可能性を数値として出力し、高い診断精度により、医師の診断をサポートするという。
主な特徴として「病変の腫瘍・非腫瘍の判別を自動で行い、リアルタイムでの診断支援を実現」「2種類の観察モードに対応」の2点を挙げている。
リアルタイムでの診断支援については、Endocytoで撮影された大腸内視鏡画像をAIが解析し、診断結果(腫瘍または非腫瘍の可能性)を数値で表示。 約6万枚の内視鏡画像を学習させたことで、国内多施設後ろ向き性能評価試験では感度96.9%、正診率98.0%という専門医に匹敵する診断精度が得られ、診断結果はリアルタイムに表示されるため、検査中における医師の診断をサポートするという。
2種類の観察モードに対応すること関しては、内視鏡検査の際、医師はNBI観察(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)や染色観察など、さまざまな方法を用いるため、EndoBRAINはNBI観察モード・染色観察モードの2種類を搭載し、検査中の多様な場面においてAIによる支援を可能としている。NBI観察で得られる血管像や、染色観察で得られる細胞核の画像をAIが解析し、腫瘍・非腫瘍の可能性を数値で表示することで、より確信度の高い診断をサポートします。