バルミューダは韓国で12の直営店を展開しています。韓国は空気汚染が進む中国の隣に位置することもあり、空気に対しての意識が非常に高く、日本より大きい空気清浄機の市場があります。バルミューダ初の空気清浄機「AirEngine」は、日本の10倍も韓国で売り上げました。

韓国でバルミューダは、いわゆる高級家電ブランドとして認知されており、結婚祝いでバルミューダのトースターや、生まれてくる子どもを想って空気清浄機を贈る人も多いのだとか。

  • バルミューダは現代(ヒュンダイ)百貨店などで直営店を展開している

  • 韓国の量販店におけるバルミューダはこんな感じ

  • 写真左が空気清浄機の第一号機「AirEngine」、右が扇風機「The GreenFan」

  • 日本でも大ヒットしたバルミューダのトースター「BALMUDA The Toaster」は、韓国でも「死んだパンをよみがえらせる」として大人気

人類を喜ばせるために、つくる

――今回、なぜ韓国で先行発表という形となったのか教えてください。

寺尾社長:2012年にバルミューダ初の海外展開として、韓国で空気清浄機「AirEngine」の販売を開始しました。そして、バルミューダの空気清浄機を最も使ってくれているのが韓国の人々なので、じゃあ韓国で発表しましょうと。

  • 「バルミューダのデザイン性が韓国の人々に受け入れられました」

寺尾社長:韓国の人々の嗜好性も関係していると思っています。「ものの形の美しさ」に対する強い興味と行動力を持つ人たちだと認識していて、韓国の大手家電メーカーもずいぶん前から、日本メーカーとはケタ違いってくらいデザインに力を入れています。そういった人たちに、バルミューダのデザインが受け入れられたから、というのもありますね。

――今後も海外で先行ローンチということはあるのでしょうか。

寺尾社長:そういった機会は十分にあると思います。我々がなんのために仕事をしているかといえば、「人を喜ばせるため」。人というのは人類を指していて、日本人に限ったわけではない。多くの人が喜んでくれる場所があれば、そこで先行ローンチしていくのは考えられます。

――お話ありがとうございました!

成長するバルミューダ

バルミューダは2003年に、寺尾社長が1人で立ち上げた会社。当時のオフィスは自宅で、従業員はもちろん寺尾社長だけでした。それが2018年には97人の社員を抱え、売り上げは100億円を超える会社となりました。「家電という道具を通して、心躍るような、素晴らしい体験」をテーマに、快進撃を続けてきたバルミューダ。寺尾社長は、「今後もトースターや炊飯器などで順当にモデルチェンジをしていく」と述べ、新たな領域への参入意欲もありそうでした。今後もバルミューダの動向に注目です。