米Googleが「Live Transcribe (ベータ)」と「Sound Amplifier」の提供を開始した。Android端末を自動音声書き起こしツールや補聴器として利用できるようにする。聴覚に障害がある人のためのAndroid用のアクセシビリティ・アプリだ。

  • Live Transcribe

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Live Transcribeは、周囲の音声を自動的に書き起こして画面にテキスト表示する。書き起こしの精度に影響する周囲の雑音を目で確認できるように、画面右上のインジケータで背景ノイズの量を利用者に伝える。雑音が大きい場合は話す人にマイクを近づけるか、外付けマイクを使用するとより高精度な書き起こしを得られる。キーボードをサポートしており、テキスト入力で会話に応えることも可能。利用者が画面を見ていなくても、誰かが話し始めたことに気づけるように振動で知らせるバイブ機能も用意している。サポート言語は日本語を含む70言語。それらの中から第1言語と第2言語を設定できる。画面表示はダークモードとライトモードを切り替えられ、文字の大きさも調整可能。聴覚に障害がある人向けのユーザーインターフェイスになっているが、音声を書き起こすツールとして一般ユーザーも活用できそうだ。

Live Transcribeは限定ベータとしてLive Transcribeのサイトでプログラム参加の申し込みを受け付けており、一部のユーザーからロールアウトしていく。アプリはGoogle Playストアから入手する。「Pixel 3」シリーズにはプリインストールされる。リアルタイムの音声書き起こしにはクラウド・ベースの音声認識を用いており、使用にはインターネットへの接続が必要だ。音声書き起こしに関するデータをサーバに保存したり、アルゴリズムの改善に用いることはなく、またプライバシー保護を徹底するために書き起こしデータを保存する機能も設けなかった。

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Sound Amplifierは昨年5月にGoogle I/Oで発表した補聴アプリだ。Android端末に有線ヘッドフォンを接続して使用する。混雑したカフェや空港など騒々しい場所でも、マイクが捉えた音から背景ノイズを抑え、利用者の周りの音を大きくするように調整して話し相手の声などを聞き取りやすくする。スライダーで効果を調整するシンプルなユーザーインターフェイスだが、背後では100以上のパラメータの動的な調整が行われており、簡単な操作で状況に応じた最善の効果が得られる。

フィルタリングは端末で実行され、インターネット接続は不要だが、プラットフォームがAndroid 9 Pie以上に制限される。アプリはGoogle Playストアで配信し、「Pixel 3」シリーズにはプリインストールする。

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