NECは、品川にあったショールーム「NEC Innovation World」を昨年12月で閉鎖し、新たに本社内に共創空間「NEC Future Creation Hub」として、2月8日にオープンすると発表した。2月4日、プレス向けに事前公開した。

  • 「NEC Future Creation Hub」

同社では、ここを「社会価値創造のための共創の場」と位置づけており、個々のソリューションというよりは、NECが考える未来の社会を体験できるような空間になっている。そのため、情報システム部門の人ではなく、CIOやCMOといった経営層をターゲットにしている。

  • 「Welcome Zone」

  • 会議室

NEC Future Creation Hub センター長でNEC IMC本部 野口圭氏は「お客様から、NECのビジョンを示してほしいという要望があった」と、今回のリニューアルの一因を挙げる。

  • NEC Future Creation Hub センター長でNEC IMC本部 野口圭氏

施設は、総面積が1800平方メートルで、訪れる顧客を明るく迎えるため、「視線で花咲くアート」などを展示する「Welcome Zone」、これまでのNECの取り組みや2050年を見据えたビジョンを紹介し、顧客と課題感と変革の必要性の共有に向けた体験型動画を紹介する「Theater」、近未来の安全・安心・効率・公平な都市や新しい企業活動を、都市経営や企業経営などの視点から俯瞰するソリューションを紹介する「Future Society Zone」、テレビ会議システムを備え、世界各国の拠点を結び議論できる「Collaboration Zone」などに分かれている。

  • 「Theater」

  • 「Theater」には、スマホのバーコードとパスポートによる入国手続きのキオスク端末も設置

  • 「Future Society Zone」(未来の店舗を体験できるSocial Transformation)

  • 「Future Society Zone」(未来の倉庫を展示)

  • 「Future Society Zone」(床と壁のディスプレイでソリューションを紹介するSocial Foundation)

  • 生体認証を体験できる「Tecnology Touch Zone」

  • 「Collaboration Zone」

野口氏は、「自然を意識をしたデザインにし、自社の技術や製品を置かず、リゾートに来たような感覚で、深い議論ができるようにした。極力置くものを絞り、空白のある展示にした。変わるという覚悟を感じてほしい」と語った。

「NEC Future Creation Hub」の利用は完全予約制で、1日あたり最大7組に限定。当日は、顧客の中期計画等も考慮しながらNECが個別にシナリオを作成し、プレゼンする。展示する内容や動画のコンテンツも顧客に合わせて変更するという。

このHubでは約1,600人からなるデジタルトランスフォーメーションを実現する専門家集団、デジタルオールスターズ(バリュークリエータ、ビジネスデザイナー、SME(Subject Matter Expert)、データサイエンティスト、エバンジェリスト等)が顧客の課題や社会課題に適したチームでNEC 共創プログラムを進めていく。

NEC 執行役員 兼 CMO 榎本亮氏は、「社会に価値を生み出し、変えていこうということから、Hubと名前をつけた。テレビ中継により、世界中をつなぐ拠点として、またオープンイノベーションの拠点として活用する。また、NECの社員向けにも内覧会を開催し、NECの価値観に触れてほしいと思っている。単にお見せするだけでなく、少人数で深い議論をしてほしい。そのための来場人数の目標は追わない。未来に向けての価値観を共感してほしい」と語った。

  • NEC 執行役員 兼 CMO 榎本亮氏