2016年にスタートした当時、「Made by Google」はGoogleが自らハードウェアも手がけることでAppleに対抗できるような"体験"を生み出す施策と見なされました。しかし、すぐにGoogleが「モバイル優先」から「AI優先」へと戦略をシフトさせ、今では「AI+ソフトウェア+ハードウェア」が生み出す"体験"という独自性がしっかりと根づいています。

  • 2018年を通じて、Googleのキーノートに何度か登場した「AI+ソフトウェア+ハードウェア」

Google全体の中でハードウェア事業はまだ小さいものの、RBCの分析によると「Made by Google」は注目に値する成功を収めており、商業的な牽引力を持ち始めているそうです。成功のきっかけとなったのが「Google Home」ファミリーです。Google Brainを率い、百度のチーフサイエンティストだったAndrew Ng氏は、2020年には音声による検索が全体の半数になると4年前に予測しました。それが実現に向かっている実感がない方が多いと思いますが、この1~2年のAIアシスタントの成長によって音声検索は着実に増えています。

RBCの推定では、米国で使用されているGoogle Homeデバイスは約4300万台。Google Homeを通じてGoogleアシスタントのパーソナライズされたサポートに慣れた人達が、同じ体験を求めてPixel端末など他のGoogleデバイスにも関心を持つハロー効果が生じているそうです。2018年のGoogleのハードウェア事業の推定売上高は88億ドル、それが2021年までに196億ドルに拡大すると見ています。