伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)とCTCの特例子会社でユニバーサル農業を実践するひなりは12月13日、ICTを活用した未来型ユニバーサル農業の実現に向け、静岡県浜松市の京丸園とともに実証実験を開始したと発表した。

ユニバーサル農業とは、障がい者や高齢者の社会参画を進め、その効用を農業経営の改善や担い手の育成に生かす取り組み。農作業の工程分解し、誰にでも作業ができる形に切り分けることで、農作業の効率化と障がい者の仕事の創出につなげる。

実証実験は京丸園が栽培している「姫みつば」の圃場で行われる。姫みつばは、長さ15㎝(一般的なみつばの2分の1)ほどの香味野菜で、日射量によって葉やけ(葉の表面上に変色した部分ができる現象)が発生しやすく、葉やけが発生すると都度、該当箇所を除去する必要がある。

今回、姫みつばを栽培するビニールハウスにカメラ1台と環境センサー(日射量・温湿度・水温の測定)を設置し、栽培過程のデータから、AIで葉やけの発生原因や成長状態を分析。その分析結果をもとに、ビニールハウスの環境を維持していくことで、将来的に農作業の効率化と障がい者の仕事の創出につなげる。

  • 左から、圃場に設置した環境センサーデバイス、モニタリング画面とアラート設定