米Mozillaは12月11日 (現地時間)、Webブラウザ「Firefox 64」の安定版の提供を開始した。タブバーで複数のタブを選択して整理できる機能を追加。現時点では米国ユーザーのみになるが、ユーザーのブラウジング動向に応じてFirefoxの機能やアドオンを提案するアシスタント機能「Contextual Feature Recommender (CFR)」の提供を開始した。

複数タブの整理機能は、タブバーに複数のタブが並んでいる状態でCtrlキーを押しながらタブをクリックすると、開いているタブとクリックしたタブが選択される。またShiftキーを押しながらタブをクリックすると、開いているタブからクリックしたタブまでの全てのタブが選択される。タブの移動、ブックマーク、再生オーディオのミュート、ピン留めといったことを選択したタブでまとめて行える。

整理機能は他にも、ツールバーのアドオン・アイコンの右クリックで表示されるコンテクストメニューに「アドオンの削除」が追加された。アドオン管理に移動せずに、ツールバーからアドオンを削除できる。

CFRは、機能やアドオンをプロアクティブに提案するオススメ機能だ。たとえば、同じWebサイトを繰り返し開いていたら、ピン留め機能の利用を提案し、機能を説明する。アドオンについては、安定版での提供開始時点で「Facebook Container」(Facebookのトラッキングを防ぐ)、「Enhancer for YouTube」(広告表示のコントロールやマウスによる再生操作などYouTubeの視聴体験を向上させる)、「To Google Translate」(選択したテキストを右クリックでGoogle翻訳)の3つが提案の対象になっている。CFRのプロセスは全てローカルで行われ、ブラウジングの記録といったデータがMozillaに送られることはない。プライベートブラウジング・モードは、CFRのモニタリングから除外される。

URLボックスに「about:performance」と入力してアクセスできるパフォーマンス・ページが強化され、タスクマネージャーに改められた。開いているタブ及び有効なアドオンの状態、それらの電力消費を確認できる。「about:crashes」でアクセスできるクラッシュ・レポートもデザインが改善され、クラッシュをレポートするプロセスと確認が分かりやすくなった。

OS別では、Windows版でOSの共有機能がサポートされ、URLバー右端にあるページアクション・メニューから「共有」を選択してページ共有を利用できる。また、Firefox 63でWindows版で有効になったClang LTO (リンク時最適化)によるパフォーマンスの向上がMac版とLinux版にも拡大した。