ファーウェイ・ジャパンがハイエンドスマートフォン「HUAWEI Mate 20 Pro」を発表しました。すでに海外では発売されていますが、国内でもいよいよ登場。発表会に合わせて、ファーウェイ・デバイス 日本・韓国リージョンプレジデントの呉波氏が報道陣のインタビューに答えました。
―― グローバルではMate 20やMate 20 Xも発表されていますが、今回、日本ではMate 20 Proのみとなっています。なぜでしょうか。
呉波氏:最も先進的な、“全部”を搭載したモデルがMate 20 Proです。日本のニーズに合ったデバイスの導入を考えており、例えばMate 20 Proが備えるIP68の防塵防水性能などが重要となります。10月16日のグローバル発表以降、日本のユーザーの(Pro以外に対する)関心の高さは理解しています。社内でも、どのグローバルモデルを導入するか、今後も検討していきます。
―― キャリアの販売手法について、総務省は分離プランの徹底を導入しようとしています。ファーウェイに対する影響は?
呉波氏:日本の消費者がスマートフォンを選ぶときに、スペック、性能はもちろん、価格も重要な要素になります。新しい施策は消費者にとって非常に良いことだと思います。あくまで日本の消費者のニーズに注目し、外部環境がどう変わっても、一貫して革新性に力を入れて、究極の体験ができるような製品を提供していきたいと思っています。
長い目で見れば、各スマートフォンメーカーが同じスタート地点に立って競争できると思っています。中期的、短期的に見ると、それほど大きな影響はないのではないでしょうか。
―― ファーウェイは細かくラインナップをそろえていますが、分離プランによって購買に変化があると考えていますか。
呉波氏:ファーウェイのスマートフォンは、エントリーからハイエンドまで価格帯をカバーしています。どの価格帯にしても、あくまで消費者が好きになるような、技術的に先行しているような製品を提供しています。どの価格帯の製品でも、優れた体験を提供できることに注力しています。これまで重視していたのは、値段を超えた体験を消費者に提供することでした。
SIMフリー市場では、どのメーカーでも3万円前後の製品が一番売れています。キャリアが販売するスマートフォンに端末購入補助をつけると、(実質で)3万円前後となり、同等になって、そこで初めて消費者が端末を比べられます。これが規制されて少なくなると、ようやく我々のような端末メーカーがスタートラインに立つことになります。
ただし、購入補助の方法が20~30年続いているので、短期、中期に見ても大きな変化はないと思うのです。
―― ファーウェイはキャリアでの販売が増えましたが、分離プランは影響ありませんか?
呉波氏:この政策がもし実施されれば、各メーカーにとってはより公平に競争できる環境が与えられると思います。そうなれば、メーカーは技術的な先進性、イノベーティブ、ユーザー体験など、専念して取り組めるようになります。
ファーウェイは世界170カ国以上で端末を販売しています。各国がそれぞれの事情で政策を変えることもあり、各国でどう変わろうが、一貫して消費者を第一に考えて、先進性や革新性に注目して、高品質な製品を提供していくことに専念しています。
そのため、日本市場では日本の消費者のニーズに注目しつつ、日本の人材、パートナー企業との提携に力を入れて、良いところは吸収して、より自分自身が良くなるように心がけています。
2018年、ファーウェイが日本で調達した端末用の部品の金額が初めて60億ドルに達する見込みです。これは今年1年、日本の対中国輸出金額の4%を占めています。ファーウェイ1社でです。日本の産業界との関係がより強化されたことを意味しています(*)。
―― おサイフケータイについて、P20 Proには搭載されていましたが、Mate 20 Proにはありません。ターゲットユーザーのニーズを踏まえた結果でしょうか。
呉波氏:日本の消費者からの、おサイフケータイのニーズは認識しています。社内でおサイフケータイの機能をグローバルバージョンに取り込むことを考えています。これも改善していくので、ご期待ください。
(※)
インタビュー後に、「ファーウェイグループ(コンシューマーデバイス事業部以外も含む)全体の主要サプライヤー数は92社となり、その中で日本のサプライヤー数は11社。日本のサプライヤーには、ファーウェイにカメラや関連モジュールを提供している、世界最大のCMOSセンサーのサプライヤー、ソニーなどが含まれています」との補足があった。