セルシスは29日、イラスト・マンガ・アニメーション制作ソフト「CLIP STUDIO PAINT」最新バージョン(Ver1.8.4)に、機械学習技術を活用した自動彩色機能や、トーン(網点)消去・分離機能などを追加した。CLIP STUDIO PAINTユーザーは、同社サイトから無料でアップデータをダウンロードできる。
機械学習を利用した「自動彩色機能」は、レイヤーに描画された線画を参照して全自動で彩色する「全自動彩色」と、線画のほかにヒントとして色を指定するレイヤーを作成して、イメージに近づける「自動彩色」を実装した。
また、トーンを消去・分離できる機能は、主線とトーンが含まれる1枚のラスターレイヤー画像から、主線を残してトーンを消去したり、トーンをグレースケールに変換したりできる。これによりモアレを回避したり、モノクロマンガの彩色を効率化できるとしている。
このほか、バージョン1.8.4では下記のような機能が追加されている。
- 2Dアニメーションに演出をつけるカメラワーク機能
- タイムラインに効果音、BGMなどオーディオファイルの追加
- デジタルタイムシート情報ファイル(xdts)の入出力
- キャンパス内のレイヤー枚数を最大10,000枚まで増加
- JPEG形式で保存したときのノイズ除去機能
トーン消去と自動彩色は、正式リリース前の機能を試用提供する先行プレビュー機能として公開。正式リリース時には機能や提供方法が変更になる場合がある。また、いずれもネットワーク環境を通じてサーバに画像を送る形の機能となり、同社はセキュリティやプライバシーに最大限配慮すること、著作権は著作者本人に属すること、外部に公開されないことなどを明示している。