ドローンクリエイト、ミツイワ、セベック、NTTコムウェア、日本UAV利用促進協議会(JUAVAC)は22日、島根県益田市において、中山間部に居住する高齢者などの生活の質の向上を目的に、ドローンとAIを活用した物資輸送の実証実験を11月26日から開始することを発表した。

  • 実証実験の全体概略

    実証実験の全体概略

人口減少・高齢化が進む益田市では、中山間部に居住する高齢者や外出困難者に対し、栄養改善・確保を目的とした食事療養食の調理・宅配が実施されている。これは、一人暮らしの方や体の不自由な高齢者を含む「荷受者の健康状態の確認」も大きな目的のひとつだという。

しかし、配達範囲の広さや確認作業の負担から、宅配事業が多大な労力とコストが発生しており、サービスの継続には安全性と経済性を兼ね備えた新たな仕組みの構築が不可欠だという。

そこで、ドローンとAIを活用した安全・安心で経済的かつ「荷受者の健康状態の確認」機能も併せもつ物流システムを、現場の実状に寄り添いながら実験を通して検証することで、地域住民の生活の質の向上に寄与できる仕組みの実現を目指すという。

実証実験では、発送側で物資をドローンに搭載して荷受側に物資を輸送。荷受側におけるドローンの安全着陸、物資の荷受確認、荷受人の健康状態確認、荷受後のドローンの安全再離陸を、ドローンに搭載したカメラを含むセンサーとクラウド上のAIの連携により実現する。荷受や健康状態のAIによる分析結果は、必要に応じて地域の行政機関・医療機関にも通知されるという。

  • 実証実験のスケジュール

    実証実験のスケジュール

検証期間は11月26日~2019年3月31日。航行ルートの確立や安全確認などの予備実験から開始し、実際の物資輸送実験を12月17日から実施するということだ。

なお、参加各社・団体の役割は、ドローンクリエイトがドローン運用技術者育成スクール展開及び地域連携支援など、ミツイワが全体システム管理、データ解析、保守サポートなど、セベックがドローン運用・運行調整、フライトデータ取得など、NTTコムウェアが画像認識AI 「Deeptector」 による安全着陸・再離陸支援、荷受状況・健康状態抽出など、日本UAV利用促進協議会(JUAVAC)が同実証実験の企画・監修・運営支援などを行う。