• Pure F9

今では当たり前のように「メイン掃除機」としてコードレススティッククリーナーが使われていますが、日本において、高性能なコードレススティッククリーナー市場を牽引してきたのがエレクトロラックスです。なかでも2004年から販売されている、同社の代表的なコードレススティッククリーナー「エルゴラピード」シリーズは、家電量販店の掃除機売り場でほぼ確実に見られる人気製品。

そんなエレクトロラックスが、まったく新しいコードレススティッククリーナーを発表しました。それが「Pure F9(ピュア・エフ・ナイン)」シリーズです。上位モデル「Pure F9 Plus」と、標準モデル「Pure F9」の2モデルが用意されています。価格はオープンで、推定市場価格は最上位モデルの「PF91-6BWF」が84,800円前後(税別)、標準モデルの「PF91-5OGF」が69,800円前後(税別)。2モデルは搭載するバッテリーの容量や、パッケージに付属するアタッチメントなどが異なります。

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    会場に展示されていたPure F9シリーズ。左から上位モデル「Pure F9 Plus」のサテンホワイト色とマホガニーブロンズ色。右が標準モデル「Pure F9」のアイロングレー色

それぞれにメリットがある「重心」の位置

コードレススティッククリーナーを選ぶ基準のひとつに「本体位置」があります。多くの高価格コードレスクリーナーは、モーターやダストカップなどの本体が上にある「上重心」タイプ。

かさばるメインユニット(モーターやバッテリー、ダストカップなどを含む掃除機本体のこと)が手元位置にあると、ヘッド周辺がスッキリとして、家具の下や狭い場所を掃除しやすくなります。反面、重さのあるメインユニットが上の方にあるのでバランスをとりにくく、自立しにくいデメリットもあります。

メインユニットがヘッド周辺に配置された「下重心」タイプは、本体重量のほとんどがヘッドにかかるため、手元の負担が少ないのがメリット。自立しやすい利点もあります。ただしヘッド周辺に大きなパーツがあるため、家具の下や狭い場所の掃除には向いていません。

このように縦に長いスティッククリーナーは「上重心」「下重心」のそれぞれにメリットとデメリットがあります。そこで、Pure F9はなんと可動式のメインユニットを搭載。掃除の場所やシチュエーションにあわせて、「上重心」と「下重心」のどちらにも変形するという驚きの機能を採用しました。

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    自由に重心の位置を変更できるPure F9。メインユニットをハンドル付近とヘッド付近に動かせます

たとえば床を掃除するときは、本体の重さがヘッドにかかり、手の負担を軽減できる「下重心」スタイル。ソファなど、家具の下を掃除するときは本体をスライドして引き上げ、「上重心」スタイルを利用できるのです。

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    重心を下げると、メインユニットの重さを感じにくくなり、床掃除も疲れません。エレクトロラックスによると、手にかかる重さは約0.9kgだそうですが、実際に掃除してみるともっと軽く感じます

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    重心を上げると、ヘッド周りに障害物がなく、ソファの下などが掃除しやすくなります。8cm以上の隙間があれば、ヘッドを滑り込ませることができるそうです

内蔵ホースが超便利! 1台3役にもなる変幻自在のボディ

Pure F9でもうひとつの特徴が変幻自在のボディ。本体のパイプ部分は、ボタンで伸ばしたり縮めたりできます。パイプを一番短くすると、ハンディクリーナーとして使えるのです。

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    パイプを短くすると、ハンディクリーナーとしても利用できます(写真右)

また、Pure F9はパイプ内にホースを搭載。最近の高級スティッククリーナーには、付属品として伸縮性のあるフレキシブルホースが付いてきます。このホースがあれば、狭い場所や窓のふちなども掃除しやすくなります。ところが、Pure F9はこのフレキシブルホースを本体のパイプに内蔵。ヘッドを外すだけでホースを引き出せます。

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    ヘッドを外してオレンジのリング部分を引っ張ると、内蔵のフレキシブルホースが伸びます

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    付属ホースをもってきて装着する必要がないのでこれは便利!

ハンディクリーナーにして掃除してみましたが、内蔵ホースのおかげで高い場所の掃除もやりやすく感じます。ただし、ハンディ形状にしたときのサイズはヘッドを外した状態でもW136×D216×H741mm。「ハンディ」というにはちょっと大きめです。重さもヘッドがない状態で約3.2kgとズッシリしているので、長時間持って掃除するのは厳しいと感じました。

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    ハンディクリーナーにして掃除をしているところ。ホースが狭い隙間にも入るので、細かな掃除もラクラク。車内掃除にも力を発揮しそうです。ただし、非力な筆者には重く感じました

標準モデルのPure F9には、差し込む向きや展開する形状によって「ブラシ」「隙間ノズル」「布用ノズル」の3パターンで使える「3in1ノズル」が付属。上位モデルのPure F9 Plusは、3in1ノズルのほかに「デリケートブラシノズル」と「マルチアングルチューブ」、UVライトによる除菌機能を搭載した布団用ヘッド「UVベッドノズル」も付属します。付属品を組み合わせると、Pure F9 Plusは「コードレススティッククリーナー」「ハンディクリーナー」「布団クリーナー」の1台3役として使えますね。

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    左から「3 in 1ノズル」「マルチアングルチューブ」「デリケートブラシノズル」「UVベッドノズル」

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    3in1ノズルは、ブラシノズルとして使えるほか、向きを逆にして装着すれば隙間ノズルとしても利用可能

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    3in1ノズルの隙間ノズル部分を開くと、T字型の布用ノズルにもなる優れものです

基本性能も充実

Pure F9はさまざまな形状に変化するボディが魅力ですが、じつは基本性能も非常に高いのです。発表会場では吸引力を確認できませんでしたが、エレクトロラックスによると新開発のデジタル・ブラシレス・モーターとフロアノズルにより、非常にパワフルな吸引を実現したといいます。

このほか注目したいのがバッテリー性能の高さ。一般的に吸引力の高いコードレス掃除機は、運転時間が短くなりがち。ですが、上位モデルのPure F9 Plusは低電力モードなら約1時間、最大モードでも約17分の連続運転が可能です(標準モデルのPure F9では、低電力モードで約50分、最大モードで約15分)。日本で購入できる他社の高級コードレス掃除機は、連続運転時間がターボモードで10分もたないものがほとんど。最大モードで17分利用できるのは、かなり魅力に感じます。

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    Pure F9 Plusのカット。メインユニットの一番下にあるのがバッテリー

個人的に気に入ったのは、大きなダストカップ。最近のコードレススティッククリーナーは、軽量化のためダストカップが小さいものも多いのですが、Pure F9は容量が700mlと大きめ。頻繁にゴミを捨てる必要はなさそうです。ちなみに、Pure F9には5段階のフィルターが搭載されており、0.5ミクロンから4.2ミクロンの微細なゴミも99.99%逃さない構造になっていて、「吸い込む前よりキレイな空気を排気」するのも特徴とのこと。5段階すべてのフィルターを水洗いできるのも好印象でした。

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    ダストカップ容量が700mlと、大きめなのが嬉しい! フィルターなどもすべて水洗い可能だそうです

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    新開発のモーターとヘッドにより、吸引力も非常に高いといいます

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    ブラシは比較的毛量が少なめで、髪の毛が絡まっても掃除しやすそうに感じました。もちろん、ブラシ部分は簡単に外せます

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    ヘッド前面にはLEDライトを搭載。暗い家具の下も見えるので、ゴミの取り残しを減らせそうです

人気コンビの「野性爆弾」、掃除の妖精になって登場

ちなみに今回の新製品発表会では、人気コンビ「野生爆弾」もゲストとして登場。くっきー氏が「掃除の妖精」として、相方のロッシー氏にPure F9の使い方を指南するコントも披露されました。

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    掃除の妖精になったくっきー氏が、Pure F9の「変幻自在」に高さを変えられる機能をみせて、「えなりかずきから川合俊一まで、どんな体格のユーザーでも使いやすい」とアピール(?)

2児の父でもあるロッシー氏は「家族みんなに、時間がないからパパ掃除してといわれるから、僕は意外と掃除するんですよ」と語り、どこでも掃除がしやすいPure F9の使いやすさを絶賛します。相方のくっきー氏は「掃除がたのしくなる、というセリフはありがちですけれど、これ(Pure F9)は掃除がうれしくなる製品」と、めずらしく真面目なコメント。報道陣を前にギャグがつぎつぎとスベったことに心が折れ、よいコメントをしてみたくなったと、会場を笑わせました。