富士フイルムホールディングスは10月1日、学術団体との共創により次世代AI技術を開発する拠点であるFUJIFILM Creative AI Center「Brain(s)」(ブレインズ)を東京・丸の内に開設した。

新拠点では「アカデミアとの共同研究による次世代AI技術の開発」「AI/ICT人材の育成」「社内の技術・製品と社外のICT技術をかけ合わせたICTオープンイノベーションの実施」の3点に取り組む。

次世代AI技術の開発に関しては、同社が事業活動を通して得た医療現場や社会インフラ点検現場などの実課題に加え、検査画像や診断レポートなども活用することで、学術団体の自然言語処理やマルチモーダル(多様式)AIなどの基礎技術を活用することで、社会課題を解決するための、高度な次世代AI技術を開発。

また、ディープラーニング用として世界最速のスーパーコンピュータを導入することにより、国内トップレベルの研究環境を構築し、AI技術の開発をさらに加速させるという。

AI/ICT人材の育成については、新たな取り組みとして「FUJIFILM AIアカデミー」を開講し、社内外の人材が著名な研究者との交流を通じて最先端のAI技術に触れ、学ぶ。次世代のAI/ICTを活用する未来の社会を構想し、未来の産業をリードするAI/ICT人材を育成するとしている。

ICTオープンイノベーションの実施では、丸の内という地の利を活かし、AI研究を進めるスタートアップ企業などとのコラボレーションを実施し、画像診断支援などのAI技術「REiLI(レイリ)」や、AIを活用して開発したフォトブック「イヤーアルバム」、AIを活用した画像解析により、ひび割れ点検業務を効率化する社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」など、同社のICT関連製品・サービス、技術の展示およびコラボレーションエリアをBrain(s)内に設け、実際に見て触れながら、さまざまな企業とビジネスアイデアを創出していくという。

そのほか、本分野で顕著な成果をあげた社員に対し、新設する「AI/ICT技術認定制度」に基づく報奨を付与することで、AI/ICT人材のさらなる活躍を促進していく方針だ。