ダーク、ミルク、ホワイトに続く新しいカテゴリのチョコレートが登場した。

「ルビーチョコレート」

それが第4のチョコレートの名である。

バリーカレボー社の発売する「ルビーチョコレートRB1」(製菓材料)のパッケージ

スイスに本社を置くグローバルチョコレートメーカー・バリーカレボー社が生産し、10月3日から日本でも業務用として発売。すでにパートナー企業ではルビーチョコレートを使用した新商品が開発されており、9月から順次、先行発売される。

9月18日、そんなルビーチョコレート「RB1」のお披露目がANAインターコンチネンタルホテル東京で行われた。

発表会の場では、ルビーチョコレートを使ったさまざまなスイーツが披露された。詳細は記事下部にて

発表会にはバリーカレボージャパン 代表取締役社長、パスカル・ムルメステール氏が登壇。ルビーチョコレートの発売は「ここ数十年のチョコレート業界でもっともエキサイティングな出来事」と語った。

ムルメステール氏によると、ルビーチョコレートの特徴は甘さが控えめでかすかな酸味があること。これまでにない新しいコンセプトで生み出された商品とのことで、「日本のような洗練された消費者には必ず喜んでもらえるはず」と自信をのぞかせた。

今回、バリーカレボーが発売するルビーチョコレートは業務用で、内容量は1.5kg、価格は5,400円(税込)となる。前田商店を始めとする従来の卸店、または楽天市場のカレボー公式オンラインショップで購入することができる。

ルビーチョコレートとペアリングできるさまざまなもの。定番のコーヒー・紅茶だけでなく、ロゼシャンパンやビール、ハーブ、塩気のある食べ物ともマッチする

同社グルメセールスダイレクターの押切一浩氏によると、ルビーチョコレートは10年以上をかけて開発したとのこと。ルビーカカオになりうる成分を持つカカオ豆を選別し、特別な加工を施して美しいピンク色に仕上げている。もちろん、着色料や香料は一切使用していない。

バリーカレボージャパンはルビーチョコレートをダーク、ミルク、ホワイトに続く「第4のチョコレート」に位置づけ、幅広く活用されることを期待しているという。特に相性が良いのはチーズやスパイス、ナッツ類。爽やかな酸味を生かして、塩味の料理にも合わせられるという。

ルビーチョコレート「RB1」だけをチョコレート原料とした製品に付加される専用ロゴ

バリーカレボージャパンは、原材料のうち、チョコレートに関してこの「RB1」のみを原料に使用した商品に対し、専用ロゴの使用を認めている。ロゴがパッケージに表示されていれば、その商品のピンク色は着色料ではなくルビーチョコレート由来だとわかるわけだ。ロゴを使用したい場合は、商品が基準を満たしているかどうか、同社のチェックを受ける必要がある。

コンビニスイーツから本格派の菓子までラインアップ

ルビーチョコレート「RB1」が発売されるのは10月3日だが、先行していくつかの企業とシェフがルビーチョコレートを使用した商品を開発している。

ローソン Uchi Cafe プレミアムルビーチョコレートのロールケーキ

ローソンからはUchi Cafe プレミアムルビーチョコレートのロールケーキ(9月25日発売/350円)とUchi Cafe ルビーチョコレートのショコラケーキ(12月2日~25日/3,200円)。

ユーハイム ルビーミルフィーユ
ローゼンハイム ルビー&チョコレートヒストリー

ユーハイムからはルビーミルフィーユ(9月25日発売/540円~)、ローゼンハイムからはルビー&チョコレートヒストリー(10月上旬より順次発売/3,456円)。

モンサンクレール ソシオンショコラルビー

著名シェフともコラボレーションした。モンサンクレールの辻口博啓シェフはソシオンショコラルビー(2019年1月中旬発売/2,300円)。ルビーチョコレートのフルーティーな香りを生かすために、酸味のあるフルーツと組み合わせた。

パティシエ エス コヤマ 小山チーズ エチオピアンコーヒー+ルビーチョコレート

パティシエ エス コヤマの小山進シェフは、ルビーチョコレートをエチオピアンコーヒーを引き立たせるパートナーとして採用したチーズケーキを作成(11月1日発売/1,728円)。クリームチーズとコーヒー、そしてルビーチョコレートの組み合わせはカフェオレを思わせる上質な味わいだ。

アステリスク ケイク ルビー

アステリスクの和泉光一シェフは同店のパウンドケーキのシリーズ「ケイク」に新しくケイク ルビー(10月初旬発売/2,000円)を追加した。全体をルビーチョコレートでコーティングし、さらに生地にもルビーチョコレートが練り込まれている。

洋菓子マウンテン×CELLAR DE CHOCOLAT by Naomi Mizuno ルビーココ

洋菓子マウンテンの水野直己シェフはルビーチョコレートの酸味を生かしてクランベリービネガーを合わせガナッシュに。ルビーココ(9月22日発売/1,080円)として発売する。

発表会の会場となったANAインターコンチネンタルホテル東京も、ルビーチョコレートを積極的に取り入れていくという。

ホテル内のレストラン、ピエール・ガニェールのランチコース「ピンクレディーランチ」に、ルビーチョコレートをふんだんに使用したデザート、スフィア・ルビーを用意する。

「チョコレート・センセーション」の提供例

また、来月からはアフタヌーンティーやスイーツブッフェなどさまざまな形態でチョコレートを提供するイベント「チョコレート・センセーション」を開催するとのことで、用意される約200種類のチョコレートメニューのうち、47種類はルビーチョコレートを使用したものとなる。

発表会では、ルビーチョコレートを使用した商品を試食することができた。

ムルメステール氏が言うように、たしかにルビーチョコレートは心地良い酸味とベリー系の香りを持っている。ダークチョコレートがビター、ミルクチョコレートがクリーミー、ホワイトチョコレートがマイルドだとしたら、ルビーチョコレートを一言で表す言葉は「フルーティー」だろう。甘さもクドいものではなくエレガントだ。これはシェフにとっても創造力が刺激されるに違いない。

今月末からルビーチョコレートを使用した新商品が続々登場する。第4のチョコレートを日本の消費者がどう評価するのか注目だ。

(山田井ユウキ)