新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と日立製作所は9月19日、「組合せ最適化問題」に特化したアニーリングマシンを利用するクラウド型計算サービスの無償提供を開始した。
アニーリングマシンは、磁性体の性質を説明するために考案されたイジングモデルを用いて、組合せ最適化問題を効率的に解くための新型コンピュータ。
新サービスはNEDOが日立、産業技術総合研究所、理化学研究所、情報・システム研究機構、早稲田大学に委託した事業の中で日立が開発した「CMOSアニーリングマシン」を利用することで、複雑な計算処理を高速に実行できるというもの。
同サービスを通じて、アニーリングマシンの普及と関連技術者育成の加速を図るとともに、利用者の使い方などのフィードバックを得ることで課題を抽出して今後の研究開発に活かし、アニーリングマシンの性能向上を図る。同サービスでは、インターネットを通じてCMOSアニーリングマシンを無償で利用できる。
利用者は、組合せ最適化問題の計算処理を効率的に実行できることに加え、アニーリングマシンを用いた最適化計算プログラムの開発が可能になるという。例えば、交通渋滞解消を目指した都市交通の最適化シミュレーションなどに適用を可能としている。
また、初心者でもアニーリングマシンを使いやすいように多くのチュートリアルを用意したほか、アニーリングマシンの利用シーンを分かりやすく体感できるというデモプログラムも同時公開している。
さらに、ソフトウェア技術者育成に向けて、多様な問題のプログラムを開発可能なWeb APIの提供を予定している。