東急電鉄、伊豆急行、首都高速道路、首都高技術は、鉄道施設の保守点検および管理作業の精度向上と効率化を目的として、首都高グループが開発した道路構造物の維持管理システム(インフラドクター)を活用した、鉄道保守新技術の共同開発を行うと発表した。

インフラドクターは、レーザースキャンで得られる3次元点群データとGIS(地理情報システム)を連携させることで、異常箇所の早期発見、構造物の3次元図面作成、個別台帳で管理してきた図面や各種の点検・補修データの一元管理ができ、構造物点検の作業や維持補修計画の立案などの効率が向上する。

鉄道版のインフラドクター共同開発に向けて、今週から伊豆急行線全線(伊東-伊豆急下田間、45.7km)を対象に、3次元点群データ計測車両を鉄道台車に積載して実証実験を行う。具体的には、鉄道台車にレーザスキャナやカメラを搭載した移動計測車両 MMS(モービル マッピングシステム)を載せ、レール上からのレーザ計測で「レールの形状」「トンネルの内面形状」「橋梁の上部形状」「レール周辺の斜面」「プラットフォームの形状」などの計測を行う。なお、今年度中に東急線内での実証実験も行う予定。

  • 計測機器イメージ図

今回の実証実験を機に、計測・運用方法や精度をさらに向上させ、鉄道の新しい技術として事業化するほか、空港など他分野の技術開発も行うという。