先日公開されたGoogle Chrome 69にはパスワード自動生成機能が搭載されている。この機能は、これまでパスワード管理アプリケーションが提供していた機能とよく似ており、Googleアカウントのパスワードをマスターパスワードとして利用することで、ほかのパスワードを覚えることなく利用できるようにするものになっている。
Chrome 69では、新規アカウント登録ページのパスワードフィールドにフォーカスを移すと、入力候補の表示と似たようなメニューがポップアップしてきて、そこにランダムに生成されたパスワードが掲載されている。これを選択すればそのパスワードが登録できるという仕組みになっている。
パスワードはGoogleアカウントに保存される仕組みになっており、覚えなくてもChromeが自動入力するほか、ほかのデバイスでもChromeで同じアカウントでログインすれば共有して利用できるという特徴がある。
この機能はパスワード管理アプリの提供している基本的な機能と同じ。パスワード管理アプリでは、アプリそのもののパスワードとなるマスターパスワードが十分に強いものである必要があり、かつ、電子的または物理的にメモすることなく頭の中で覚えておくことが推奨されている。
Chromeの場合、Googleアカウントのパスワードがパスワード管理アプリのマスターパスワードに相当している。つまり、Googleアカウントで使っているパスワードが弱い場合、保存されたほかのパスワードもリスクにさらされることになる。
この機能を利用することで強いパスワードを利用できるようになるものの、これまで以上にGoogleのサービスに依存することにもなる。便利な機能だが、利便性と共にリスクが存在していることにも留意しておきたい。