移行についは、現在のオンプレミスのままOSをアップグレードする方法と、クラウド(Azure)に移行する方法がある。

Azureへの移行では、Azure VMに移行し、Windows Server 2008のまま使い続ける方法と、コンテナやAzureサービスを活用して、再構築する方法がある。

Windows Server 2008のまま使い続ける方法は、もっとも影響が少ない方法だ。ただ、EOSを迎えるOSを使い続けるのは意味がないという見方もあるが、マイクロソフトは、Azureに移行した場合は、EOS後も、セキュリティ更新プログラムを3年間無償で提供することを発表しており、Azureに移行することで、3年間の猶予が得られる。一時しのぎにはなるが、その間にアプリケーション改修の時間を確保することができる。

  • 移行パス

三浦氏は、「クラウドに持っていくのはセキュリティ的に不安だと思うかもしれないが、Azureには暗号化などさまざまなセキュリティツールがあり、ポリシーも強化できるためAzureにそのまま移行するだけでも、セキュリティを強化できる」と説明する。ただ、Windows Server 2016に移行するのがもっともよい選択であることに変わりない。

三浦氏はWindows Server 2016に移行するメリットとして、SDN、SDSが標準で装備されているため、ハイパーバージドシステムが構築できる点や、コンテナやDevOps対応、オンプレイスのログをAure上に担保する仕組みもあり、バージョンアップするだけでもセキュリティを強化できる点を挙げた。

  • Windows ServerとAzureのセキュリティ融合

なお、Windows Werver 2016の次期バージョンであるWindows Server 2019も年内に提供されることが予定されており、一気にこちらに移行する方法もある。

Windows Server 2019では、Windows Adimin Centerという機能が搭載され、オンプレミスとAzureの両方のWindowsを可視化して制御できる。また、Azure File Syncによって、オンプレミスのファイルをAzure上にペアリングできるほか、不要なファイルをアーカイブすることもできるという。

三浦氏は「Windows Server 2019では、クラウドとオンプレイスのシームレスな連携が目玉となる」と語った。

EOSに間に合わない場合は、EOS後も3年間、セキュリティ更新プログラムを提供することが発表されているため、このサービスを利用することもできる。こちらの価格は、今後、発売されるWindows Server 2019の保守料金の75%になる予定だが、利用できるのは、ソフトウェアシュアランス、またはサブスクリプションライセンスが対象になる。また、前述したように、オンプレミスからAzureに移行した場合は、3年間無償でセキュリティ更新プログラムが提供される。

Azureへの移行

Azureへ移行する場合は、通常、Azure上でイメージを選択するだけでよいが、サポート切れになったOSに関しては、OSインストール済みのVHDを作成し、それをAzure上にコピーして、コピーしたVHDからVMを作成する必要がある。

  • Azure IaaSへの移行

簡単な方法はAzure Site Recoveryを利用することで、このツールを利用すればHyper-V上のサーバ(VM)、VMware上のサーバ(VM)、物理サーバをAzureで動作する形式に変換することができるという。

  • Azure Site Recoveryの利用

そのほか、マイクロソフトでは、EOS対応のためサーバ移行支援センターのサイトを立ち上げ情報公開しており、パートナーの紹介も行っているので、こちらの支援を受けることも可能だ。

なお、同社はAzureに関するさまざまなウェビナーを開催している。